episode9
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海馬ランドの地下。 そこにある地下研究施設に足を運んだ私達を出迎えたのは、蟹のような髪型で静謐な雰囲気の研究者、不動博士。
自己紹介をし終えた私達は、場所を移動し通されたのは地下研究施設内部のデュエルコート。 そこで中央で、待ち構えるように佇む人物を見て、またしても驚かされた。 紅いジャケットに、長髪の銀髪で片目を隠した男性と言えば、私は一人しか知らない。
「……なんで、ペガサス会長が此処に」
デュエル・モンスターズの始祖であり、いつだったか誤って決闘盤を額に投げつけてしまったというトンデモエピソードを持つペガサス・J・クロフォード氏が片手を挙げ、挨拶をしつつ私達の方へと向かってくる。
「お久しぶりデース、レンカガール。 学業で忙しい時に申し訳ありまセーン」
「い、いえ……けど、なんでペガサスさんが此処に?実は私何も聞かされず来てて……」
何か知ってそうな楓さんをチラリと見るが彼女は何も答えてくれそうにはない。
少し眉を顰めた後、穏やかな笑みを浮かべ、相変わらず似非英国人風の口調で説明をくれた。
「ユーには新たな召喚方を開発していると話しましたね?」
「はい。そのための "チューナーモンスター"……でしたよね?」
解答は正解のようでイエスと流暢な発音で返ってくる。 しかし、分からない。 I2社に呼ばれるなら、ともかくなぜKC社に呼ばれたのか。
「疑問はもっともデース。 なぜなら、新たな召喚法……シンクロ召喚には、不動博士が研究・開発する次世代の動力源と密接な関係があるのデース」
「シンクロ……?」
残念ながら文系気質である私には機械に関しての知識などない。 首を捻る私を見てペガサス氏は苦笑しながら続けた。
「百聞は一見にしかず、と言いマース。 実際に体験してもらった方が早いでしょう……もっとも今日はユーにシンクロ召喚のテストプレイしてもらう為に呼んだのですがね」
「……聞いてない」
ジロッと隣を睨むと楓さんはぺろっと舌を出して戯けて見せた。困惑する私を見て、楽しんでいたに違いない。
ゴホンと咳払いが一つ。 ペガサス氏が話を元の流れへと戻すと後ろで成り行きを見守っていた不動博士へと視線を合わせた。
「それでは……プロフェッサー不動、準備をお願いしマース」
「はい、わかりました」
一つ礼をすると博士はその場を後にする。 そして、数分後、戻ってきた彼の腕には見慣れた半円状の機械が装着されていた。
「えっ……不動さ、博士が相手なんですか?」
「えぇ、僭越ながら……。 "シンクロ召喚"は研究を兼ねてテストプレイヤーを務めさせてもらっています」
そう言い、決闘盤を構える不動博士の立ち姿は歴戦の戦士のよう。 なるほど、新召喚法のテスト
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