第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
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常に成功する作戦など、世の中に有る筈が無い。
勿論失敗に終わる事もあれば、達成できず、諦めてしまう事だってあるだろう。大切なのは、そこから何を学べたのか? である。次へと活かす為に、己の糧とできるか、成長できるかどうかに掛かっている。
そして、何よりも――次に繋げられる様に、生きていれば良い。
命さえ失わなければ、何度でもやり直しはきくから。それは、今回の事であっても同じ事が言えるだろう。
元々、二正面作戦には不確定要素も多く、更に部隊を2つに分ける為、やはり当初よりも戦力自体は落ちてしまうのは否めない。ノースの奪還には成功する事が出来た。だからと言って、サウスの方も無事成功出来るか? と言われれば100%だと誰が言えるだろうか。
もしも、断言できる、言えるとすれば……、今盛大に暴れている? 男ランスくらいのものだろう。
「おい、いい加減落ち着けランス。一体何があったんだ? お前程、悪知……、じゃなく、頭も働くし、腕っ節もあるのに、この状況。明らかにイレギュラーも良いとこだろ?」
「こらぁぁ! 悪知恵とはなんだ! 悪知恵とは! つか、聞こえてるわ!! このオレ様に向かって!!」
これは、失言。
ユーリは思わず口が滑ってしまった程度で、別段そこまで悪意があった訳ではない。さっさと話させる為には、それなりに良い気分にさせなければ、ランスは色々と面倒臭いから。……が、今回のランスはいつもとは違う。
かなり不機嫌の様だから。
これまでの経緯を簡単に説明しておく。
オクの街に帰還したユーリ達は、ランスの方、即ちサウスの方へ向かった部隊からの連絡待ちだった……、そして ランス達の敗走(ランスは完全否定)を知ったのだ。全滅した、と言う訳ではないが、重・軽傷者が多数いて、兵士達は疲弊している。
紫の軍のアスカは、懸命に皆に回復をしていたが、まだ幼い彼女が五体満足だった事に、それとなくホッとしたのは、ヒトミや優希達だ。
ヒトミは、ユーリ達が無事に帰ってきてくれた事に凄く喜んでいたのだが………、傷ついたランスの部隊を見て、もう手放しで喜ぶ事などできず、皆と一緒に手分けして 手伝ってくれている。
そして、何とか一通り終えた所で、ユーリは何があったのか、ランスに訊く事にしたのだ。
「リーザスの兵士達は 手酷くやられた様だ。一先ず、ランスが無事で良かったよ。……兎に角何があった?」
「ふん! 最強であるオレ様が無事なのは当然だ! あんなむっさい連中はどうでもいい!!」
「……はぁ。お前の男に対する扱いは大体把握しているが、それでも ランス。お前が指揮してての結果だろ? もっと言い方を柔らかくしろよ」
「ふ
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