第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
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だが、ぼうやの死神は、あたしだったみたいだねぇ』
『ふざけるな。この程度、なんのピンチでもないわ!』
『そうかい? じゃあ……試してみるか』
戦斧を掲げ、にや……と笑みを浮かべた後、一気に。
『死にな!!』
振り下ろした、のだが。
『ら、ランス様ぁっ!!』
『弓兵! 一斉掃射!!』
割って入ってきたのは、シィルとバレスが指揮する弓兵部隊。
ミネバへとシィルの炎の矢と矢が降り注ぐ。
『ちぃ……』
流石のミネバも、物量の差に下がざるを得なかった。矢は弾く事が出来ても、魔法は出来ない。魔法を何度も喰らえば、集中力が削がれ、無用な矢も受けかねないのだ。
『遅いわ! 馬鹿者!!』
『ひんひん……』
『ランスどの、ご無事で何より……』
『だぁぁ! とっとと、あの筋肉ババァを、蜂の巣にしろ!』
ランスの指示で、バレスは、弓兵達に合図を送るが……、街の入り組んだ通路に逃げられてしまった為、捉える事が出来なかった。
『ちょこまかと、ドブネズミか! 筋肉ババアが』
逃げられたのを見て、憤慨するランス。
バレスも、呻っていた。
『むぅ……。仕損じたか。エクスの部隊はどうなっておる?』
『はっ、どうやら サウスに大多数の軍隊を送っていた様で、数が相当多く、苦戦を強いられている模様です』
『むぅ……、殆どの色、部隊が揃っているのにも関わらず、か……。トーマがおらずとも、強敵じゃ』
『馬鹿者! お前らがトロイからなのだ! さっさと行くぞ!』
そして、ランス達は、進撃を始めた。
逃げたミネバだが、こちらはランスとは違い 苛立った様子は無かった。いや、寧ろ予定通り、と言わんばかりに笑さえ浮かべていた。
そんな時、入れ違いでヘルマン兵がやってきた。
『ミネバ様……』
『ああ、なんだ。今更来たのかい。まぁ もう何にもする事はないよ。手筈通りに、するだけさ……』
凶悪、と言うよりは、邪悪、と言う言葉が似合うだろう。
そんな笑みを浮かべていたミネバに言う。
『……ミネバ様、今のは……その、さすがに……』
この兵士は全てを見ていたのだ。
ミネバが、部下に幻覚魔法《フォトショック》を使い、身代わりにした時の事を。だが、ミネバは意に介した様子はない。
『……なんだい。卑怯だとも言いたいのかい?』
『いえその、あの…… ただ、しょ、正面からの戦いでも……、勝てたのでは? と……。正面から、あの小僧を……』
『ハッ。そんなもんに付き合ってられるかい。あのぼうやは 随分と切れる様だしねぇ。それに、見抜けない方が悪いのさ。まぁ あたしもお喋りが過ぎたみたいだから、間抜け、っていわれても仕様がないが』
ニ
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