第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
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んひん……、あ、あんな凄い戦いの間に……わ、わたしじゃ入っていけませんよ……ランス様ぁ……』
付かず離れずのシィルだったが、今回のランスの戦いでは流石にそうはいかなかった。魔法を打とうにも、目まぐるしく動く2人ゆえに、照準が合わせる事が出来ない。下手に魔法を打てば、ランスに直撃もしかねないのだ。……ランスに怒られる、と言うよりも、その一瞬の隙のせいで、ランスの命に関わりかねないから無理だった。
『あーーっはっはっは!! それじゃあ、あの雑魚達を連れてこようかねぇ……。ぼうやは、それなりに強いし、骨が折れそうだ』
ミネバの高笑いが続く。
どうやら、街角の奥へと向かっていった様だ。
『馬鹿め! オレ様の女にそんな真似、させるか!! ランス、だぁぁぁぁっしゅ!!!!』
ランスは、強靭な剛剣は、脚力からくる! とでも言わんばかりに、クラウチングスタートの構えから、一気にダッシュを始めた。ミネバの声が聴こえた場所に向かうと、そこには、間違いなく 赤髪の斧使いが立ち尽くしていた。
『がははは! 死ねぇー! ラーーーンス、あたたぁぁぁあぁっく!!!』
なんの躊躇もなく、出会い頭の一撃で斬り破る。
その一撃は、ミネバを両断する……のではなく、爆発する闘気で吹き飛ばした。……のだが、ミネバの姿が攻撃を受けたとたんに変化したのだ。赤髪の筋骨隆々な女とは思えない容姿が、突如、黒鎧に包まれていく。
『なんだぁ?』
不思議に思っていたのだが、その瞬間。
『――――残念だったねぇ』
不意に、背後の建物の二階窓から、斧を振り上げながらミネバが跳躍したのだ。
『うげっ! あんなキモゴツイババァが二匹もいるのか!?』
『軽口叩く余裕あんのかい? 死にな!!』
二階からの跳躍による重力。ミネバの筋力と斧と言う重量武器の威力。全てが合わさり、ランスは剣で受け止めたのだが、その威力に耐え切れず、剣を離してしまったのだ。ランスとの距離は、云うに2m。そして ミネバとの距離も同じく。
『悪いねぇ、ぼうや……。あたしは、こういうのが本領なのさ』
『こんの、卑怯者がぁぁ!!』
『なにいってんだい? ぼうやだって、大した玉じゃあないか。こんな不意打ち、普通にやってただろ?』
『オレ様は、いいのだ! だが、オレ様以外がやるのが気に食わん!!』
『あーーーっはっはっは! ほんとうに面白いぼうやだ。フォトショックにもバカ正直に引っかかったみたいだ。まぁ、馬鹿を騙すチンケな幻覚魔法だから、当然といえば当然か』
ミネバは余裕の表情を崩さない。ランス自身の命は、自分の手にあるのを確信しているからだ。その手に得物はなく、抗う術もないのだから。
『ふふふ、リーザスには、死神ってヤツがいるみたい
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