第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
[8/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「ランス君の方は、援護しなくて良いです! 皆は、他のヘルマン兵を! 後方支援を受けつつ、確実に攻め落とせ!」
「「「はっ!!」」」
レイラの指示を受けて、戦場の中心で激しいバトルを繰り広げているランスとミネバを中心に、戦いが始まった。
戦場は徐々に市街へと引き込まれ、開けた場所で、激突する。街路の広さには限界がある為、大掛かりな陣形が組める状況ではない。障害物や民家にも潜まれでもすれば、数の利も半減してしまうだろう。
そんな場面に写っても、2人の戦いは休む事はない。
『だぁぁぁ!! 鬱陶しい筋肉ババァが! さっさとオレ様の剣の錆になれ!』
均衡が中々崩れない事に苛立ちを隠せられないランス。それはミネバも同様だ。
『きゃんきゃんと煩いねぇ、ぼうや(ちっ、なんだい? こいつの出鱈目さは? てきとうにやってる様にしか見えないっていうのに、遣りにくいったらありゃしないよ)』
ランスの剣は、基本的に豪腕を活かした剛剣だ。
だが、その真骨頂は 力ではなく……、奇想天外とさえ思える剣捌きにあった。決して早すぎると言うわけではなく、……簡単には言い表せれないのだ。
だからこそ、ミネバは困惑した。
『(振りも体捌きも全部がバラバラ。基本戦闘術ってもんがなっちゃいないねぇ。大口叩けるだけの物は持ってないと思ってたんだが……)』
悪いところを上げればきりが無い。……が、やりづらさを深く感じていたのはミネバの方だ。隙だらけと思い、二丁斧で攻め立てるも、気づけばぎゃくに攻撃を見舞われ、更に様子を見ようものなら、予想外のタイミングで斬撃が迫り来る。
そして、その攻撃の全ての威力が凶悪。
『どりゃああ! がきーんっ! がききーーーんっ!!』
最終的には、ランス自身の口で、鍔迫り合い音? を発生している。……正直馬鹿と言う言葉しか思い浮かばない筈なのだが、その全てが嘘というわけではない。
『(ここまで出鱈目なら本当に鬱陶しい事極まれりだ)』
そこで、ミネバはある作戦に出た。
『さぁて……、そういやあ あそこの雑魚は ぼうやのお気に入りってわけじゃないか?』
『ふん。オレ様の女を虐めた報いだ。殺してやるからありがたく思え』
『ふふふ。そうかい……じゃぁ……』
ミネバは、一瞬の隙で その二丁の斧を大地に振るい、力任せに叩きつけた。ランスにも負けないその凶悪な威力で、地面が抉れ、砂埃が宙を舞う。
『うげ!』
思いっきり目の中に入りそうになったランスだが、辛うじて、後方へとジャンプをして回避する事が出来た。
『だぁぁぁ! おい、シィル!!!』
『はぁ、はぁ、は、はい! ランス様』
『馬鹿者、逃がしてしまったではないか! この役立たず!』
『ひ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ