暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
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かかれば、ちょちょいのちょいだったのだ! だがしかし、問題が発生したのだ!」
「その、《あんなもん》の説明を求めてんだっての、いい加減に話してくれ。ランスが負けてない、って思うんならそれが正しい。……お前は生きてるんだからな。負けと思わなければ負けじゃない。まぁ、その代わり、まだ(・・)勝ちでもないが」

 ユーリは、一応、真剣な表情でランスにそう言っていた。
 その真剣な表情を見たからなのか、或いは もういい加減に話す気になったのか、判らないが、ランスは苛立ちながらも話し始めた。

「……ふん。サウスには、オレ様の女がいた。卑怯にも、オレ様の女を盾に使っただけでなく、これまた卑怯にも街その物ごと、圧し潰そうとしたのだ」
「っ!? ………なんだと!」

 ユーリは思わず目を見開く。

 確かに、これまででヘルマンの軍勢は 爆発茸やプチハニー等を使って 攻勢に打って出ていたが、それはあくまで攻撃手段、防御手段の1つとしてだった。人質を使った手段は、まだ判る。レッドの街でのセルの事や、優希の事を考えると。だが、それでもサウスの街その物を潰してまで、手段を選ばない相手はこれまでにはいなかった。

 その作戦からも、何処か異質さを感じた。

「ランス。……魔人が相手だった、と言う訳じゃないのか?」
「そんなもんは、知らん。オレ様がみたのは、ゴリラみたいなババァだ」
「あ、ヘルマンの大隊長だと、思いますユーリさん。……その、兵士達が叫んでましたから……」

 ランスに飲み物をとどけに来たシィルが代わりに答えてくれた。
 ランスは、無理矢理ひったくると、八つ当たりだろうか、シィルの胸を盛大に揉みしだく。

「あ、ら、ランス様っっ」
「ふん!!」

 だが、珍しく ランスは直ぐにそれをやめて、シィルを解放。本当に頭にきている様だった。そうだ。……下手をすれば、ランスの女、と言う者達も潰されてしまった可能性があったから。女好きのランスであれば、それは何よりも許せない事だろう。それが、見知った相手であれば尚更だ。

「……シィルちゃん。兵士が叫んでた、っていうのは、こちら側(リーザス)の兵士、じゃないな」
「はい……、あれは、あの人は…… ご自分の味方まで一緒に………」

 シィルは、暗い表情をして俯いていた。
 
 敵だけじゃなく、一般人だけじゃなく…… 味方までも使って、どんな卑劣な手段も厭わない。紛う事なき、人の皮をかぶったナニカ(・・・)が相手なのだという事はよく判った。間違いなく、トーマとは対極に位置する者だと言う事も。

 そして、次のシィルの言葉を聞いて、ユーリの中で、何かが弾けた。

「その……ミネバ(・・・)大隊長、と言ってました。向こう側の将校さんなんだと……」
「……………
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