第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
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ヤニヤと笑うミネバ。だが、兵士は同調する事は無かった。
『さぁ、さっさと行きな。ぼうや達の結末は決まってんだ。……合図だよ』
ここから――始まったのだ。
鉱山崩落と言う最悪の事態が……。
そして、場面は戻る。
レイラの話を聞くにつれて、ユーリの表情が険しくなっていく。
「最期は、街の岩山を、崩したと言う事か」
「ええ。……崩落を起こして、岩が部隊に降ってきたの。……沢山の兵士達が巻き込まれたわ。………敵味方、問わずにね」
「……………」
それで、撤退を余儀なくされた。
大規模な崩落だった為、逆にあの程度で済んだ方が奇跡だ、といわれる程だった。……中でも、ランスは驚異的な運の良さや 反射神経もあり 何とか避けて逃げる事が出来た様だが、ユラン達の安否が気掛りだ。
「……ゆぅ」
思いつめたユーリを見て、志津香はユーリの名を呟く。
何でもないまだ進行中の状態。それでも声をかけるのに、躊躇してしまう程のモノだった。それは、志津香だけではなく、かなみ達も同様だ。陽気なトマトも『ワイルドなユーリさんも良いですかねー……』と言うものの、いつものテンションでは行っていない。
仲間達が、非人道的な手段で傷つけられたのだから、怒るのも無理はないだろうが……それよりも、何かを志津香は感じていた。
その――ミネバ、と言う者に対して。
ユーリは、思い出していた。
それは、以前――ヘルマンにいた時の事。
山賊風情を蹴散らした時の事だ。
『誰かの命令で動いた。って訳じゃないと言うわけか?』
ユーリが震える男にそう聞く。
男は、確かに答えた。
『ひ、ひぃ……!! は、はいっ! し、しいて言うなら、方法はミネバと言う武将に色々と――――』
そう、確かにそう言っていた。
それは、以前カラーの娘たちを助けた時の事だ。
ハンティと初めて出会った時の事でもある。カラーと人間は相容れないとも言われている。いや、一方的、とも言えるだろう。カラーの額のクリスタルは、魔法アイテムとしてかなりの高価な額がつき、更に効果も強力だ。故に欲する人間達が後を絶たない。
悲しき種族だとも言われている。
だが一時期、始祖と称されるカラーのおかげで、ペンシルカウと言う国を作り、そこから発展を続けた。更にカラーの女王の中では 武に富んだ者もおり、人間の国と友好条約を結ぶ、と言った様に、立ち止まっている訳ではない。勇猛に歩き続けている種族でもある。
そんなカラー達と、友達……とまではいかない。数度助けただけで、心を開ける様な物ではない事はユー
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