第二十九話 思わぬ再会
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4階のバルコニーまで運ばれ、『レビテーション』を切ると、お尻から落ちた。
「痛たた」
「アニエス、馬鹿かお前は」
「ナポレ……!」
痛そうにお尻をさするアニエスの前にしゃがみこみ、にらめ付ける様に目線を合わせた。
「せっかく丸く治めようってのに、僕を親父さんの努力を無駄にするつもりか」
「……どうして」
「ん?」
「どうして、メイジだって……よりよって王子だって黙ってたんだ。嘘を疲れてショックだった」
「それは……ん〜、騙すつもりはなかったけど、結果的に騙す事になってしまった。ごめん」
「私は、私は嘘が嫌いなんだ」
「ああ」
「嫌いなんだ」
アニエスはポロポロと涙をこぼした。
「……ごめん」
マクシミリアンは胸を貸してると、アニエスは押し殺すようにマクシミリアンの胸の中で泣いた。
「なあ、アニエス」
「うん」
「聞いたよ、メイジが嫌いなんだって?」
「……うん」
「今までのメイジは、ろくでもない連中ばかりだったけど、最近のメイジは違うだろ? 平民を大事にする者たちも増えてきている、たとえばアニエスの親父さんとかさ……」
「……本当は嫌いじゃない」
「うん?」
「あの人の事、本当は嫌いじゃない」
「そうか、それなら仲直りできるよな?」
「……それは」
「今更、仲直りできないって言うのか?」
「きっと、あの人、私のこと嫌ってると思う」
(何なんだ、この親娘)
マクシミリアンは思わず頭を抱えた。
「ミランはさ、アニエスが復讐に走る事を止めなかった。それどころか、積極的に支援したいってさ」
「……あの人が」
「それに、『どの様な結末になってもあの子は私達夫婦の娘ですから』だってさ良い親じゃないか」
「……」
「もう、この際だからはっきり言うけどさ、いい加減にお前ら仲直りしろ」
キッパリと言った。
「……でも、あの人が」
「さっきから、あの人あの人って、うるせーよ! パパなり、お父さんなり言え」
「……ごめん」
「まったく……オレに謝るなっつーの。後で謝っておくようにな」
「分かったよ」
マクシミリアンは、コホン、と一つ咳をした。
「話は戻るが、アニエスの言う『仇』だがな、僕達はその情報を掴んでいる」
「本当か!!」
「シッ、アンリエッタが起きる」
マクシミリアンは人差し指を口に当てた。
「ご、ごめん」
「アニエスの仇は何人か候補が居る。一人目はロマリア教皇、『ダングルテールの虐殺』はロマリアの新教徒狩りが本来の目的だからな。二人目はトリステインのリッシュモン伯爵、この男がロマ
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