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第十六話その2 皇女殿下の亡命生活なのです。
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なのだが・・・・。
帝都オーディン――
話は前後するが、どうしてブラウンシュヴァイクやリッテンハイム以上の権勢を誇ったバウムガルデン公爵家が急激に没落したのか。
その原因はやはりカロリーネ皇女殿下のご出生の打撃であった。痛み分けになるという大方の予想を裏切る形で、ブラウンシュヴァイクやリッテンハイムはその後も攻勢を強め、バウムガルデン公爵は、なまじ皇帝陛下に素性の分からない私生児をおすすめしたという結果になってしまった。これが仇となって、バウムガルデン公爵家はとりつぶしになったのである。それほど帝室にとって血統とは重要なものであった。事にルドルフ一世が劣悪遺伝子排除法を発布しているという基礎もあって、ことに皇室の血は神聖不可侵なものでなくてはならないという伝統がしっかと根付いているのである。
バウムガルデン公爵の行った行為は、素性の分からない平民かもしれない者の血を帝室にいれるという、真っ向からルドルフ大帝の行いを否定するものであった。国務尚書であるリヒテンラーデ侯爵さえも庇うことができなかったのである。
バウムガルデン公爵は潔くその勅命に服した。なお、その際には自分だけを切り捨てる形にしてほしいとリヒテンラーデ侯爵にひそかに再三申し出ていた。貴族らしからぬ潔さにリヒテンラーデ侯爵も瞠目し、かつ懸命に慰留したが、最後にはそれを受け入れるしかなかったのだ。
バウムガルデン公爵はその際に条件として自分の荘園の人々の安全を保障してほしいと再三懇願した。それはいったんは聞きいれられたが、結果としてそれは裏切られる形で終了する。
結果、バウムガルデン公爵家の領地は皇帝陛下の直轄地に成り下がるか、ブラウンシュヴァイクやリッテンハイムの私有地と化し、あるいはそれに群がってきた貴族たちに分け与えられたので両家はますます発展した。
だが、バウムガルデン公爵は貴族意識の高い人ではあったが、領民の生活を考える人でもあったので、辺境の荘園であってもインフラ整備はきちんとしていた。それを頑迷な考え方の貴族に所有権が変わった途端、中世の農園そのものの生活に落とされたのだから、人々の混乱と反発は大変なものであった。
これを鎮圧するのにブラウンシュヴァイクやリッテンハイムも軍を繰り出すありさまで、各地で耳を疑いたくなる鎮圧行為が繰り返されていった。完全に平定できたのは約1年後のことになる。足の速いものは自由惑星同盟に亡命するか、フェザーンに逃げ込むかしたが、そのほかの者はとどまることを余儀なくされ、貴族たちの過酷な搾取に耐え忍ぶ日が続いたのである。
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