第21話「そつぎょう」
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「それではこれより、巡ヶ丘学院高校の卒業証書授与式を執り行います。」
進行役である先生の言葉により、俺たちだけの卒業式が始まった。
美紀による在校生送辞から始まり、由紀の答辞。
手書きの卒業証書を受け取ったり、そこで少しふざけたり。
最後は皆で“仰げば尊し”を歌って卒業式は過ぎて行った。
「.......。」
玄関の前で、俺たちは校舎に向かって頭を下げる。
...今までお世話になった建物だ。だから、感謝の意も込めて...な?
「...じゃぁ、行こうか。」
「目指すは、聖イシドロス大学...だね。」
俺、由紀、圭、美紀、太郎丸、命が俺の車に。
先生、胡桃、悠里、蘭の四人が先生の車に乗る。
「それじゃ。」
「しゅっぱーつ!!」
エンジンを掛け、俺たちは街へと繰り出し始める。
「....ぁ....。」
「どうしたの?忘れ物?」
ふと、美紀が窓から外を眺めて、声を漏らす。
それに由紀がそう聞くが...。
「...いえ...。」
「......。」
美紀が窓から見たもの...。
それは、まだ残っていた制服を着たゾンビだった。
そのゾンビは、ゆっくりと校舎の方へと歩いて行った。
「....私達、本当に学校が大好きなんだなって....。」
「...そうだね。」
奴らは、生前に習慣付いていた行動に沿った動きをする。
だから、奴らは学校によく集まるし、サッカーとか部活みたいな動きもする。
...故にこそ、学校へと向かうあのゾンビに、美紀は何か感じるモノがあったのだろう。
「学び、支え、支えられ、助け、助けられ、そして成長し、卒業する...。」
「遼君...?」
「....そんな、かけがえのない経験ができるからこそ、学校が好きになるのかもな。」
ふと、思った事を言って、皆に笑いかける。
「....はい、きっと、そうですね...。」
「...さぁ、そんな思い出の学校ともおさらばだ。目に、記憶に焼き付けておいたか?」
「もちろん!」
そうして、俺たちは改めて意気込み、街へと繰り出して行った。
〜おまけ・その頃の...〜
「....殲滅完了。」
「拠点、確保。」
通信機を使い、海の向こうにいる仲間に伝える。
【了解。すぐそちらへ向かう。】
「...それにしても、さすが空港だな...まさにバイオハザード...。」
「殲滅よりも掃除の方が大変だが...な。」
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