第21話「そつぎょう」
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実逃避した原因の一端を担ってる私だけど、それでも私は由紀ちゃんのおかげで、皆の先生でいられてよかったって思っているの。」
「めぐねえ...。」
「...もう、佐倉先生でしょ?」
先生はいつもたった一人の大人として、責任感に押しつぶされそうになってた。
でも、由紀のおかげで先生は皆の先生としてやっていけたんだよな。
「ぐすっ....私も、由紀ちゃんがいてくれたから、こんな状況でも笑ったりできた...。部長として、頑張る事ができたのよ...?」
「りーさん...。」
さっきまで泣いていた悠里も、由紀に向かってそう言う。
...由紀を除いて、この中で一番心が弱いかもしれないのは悠里だからな。
由紀の明るさは、そんな悠里の支えになっていたんだろう。
「....モールで助けられて、ここで暮らすようになった時、私は辛い目に遭ったのに、どうしてこんな気楽なんだって思ったりしました。...ですが、由紀先輩がいたからこそ、今がある。...最近、そう思えるようになってきたんです。」
「みーくん....。」
モールで生存者が全滅するのを目の当たりにし、精神的に辛い美紀にとって、由紀の明るさはいい治療薬代わりになっただろうな。
「私にとって、由紀ちゃんは新しい友人だしね。由紀ちゃんみたいな明るい子がいるから、私も明るく振る舞える。ふざけたりできる。」
「...私も、美紀と同じで、あのモールで傷ついていた心を、由紀先輩は癒してくれました。...皆さんの言うとおり、由紀先輩はずっと皆の支えになれてたんですよ。」
「蘭ちゃん...けーちゃん...。」
蘭と圭も由紀のおかげでいつも通り振る舞えたり、平常でいられたりする。
その旨を伝えられ、由紀は段々と涙で顔を歪ませた。
「自分を卑下しなくていい。役立たずなんて思うな。...いつも通り、あの明るい笑顔を皆に見せてくれれば、それだけでいいんだから。」
「ぅぁ...うん...うん...!」
いつも何もできなくて辛かった。
だから、今必要とされてたと知って、泣いているんだ。
...今は、そっとしておこう。
「....とりあえず、一晩はここで過ごそう。」
「食料はともかく、調理器具はあるのか?」
泣き止んだ由紀は、疲れたのかそのまま眠ってしまった。
悠里も度重なる疲労や精神的に追い詰められたのか、同じく眠っている。
今は先生と美紀と圭が見てくれている。
「一応な。保存されている食料の中に肉とかもあったから、焼くぐらいはできるだろう。」
「いざとなれば遼の持ってる道具で何とかできない?」
胡桃の質問に答えると、蘭が俺にそう
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