第2話
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悠長にパン喰っとる場合じゃなくなったみたいやな。)
何かの気配に気付いたケビンは苦笑しながら小声でリースに言った。
(……許せない……誰だから知らないけど半殺しにしてもいい………?)
(フフ、変わったシスターですね。貴女みたいな方、初めて見ました。)
(……気持ちはわかるけど落ち着き。それにしてもえらい下手ば尾行やな………)
静かな怒りを見せるリースを見たリタは興味深そうな様子でリースを見つめ、ケビンは溜息を吐いた。
(素人に毛が生えた感じ………ただし訓練は受けてるみたい。)
(やな………仕方ない。最終便は諦めるとするか。リタちゃんはどうする?)
(別に急いでいるわけではありませんから、せっかくですからお手伝いします。)
(そか、助かるわ。)
(どこかで仕掛ける………?)
(ああ………こういう時のためにうってつけの場所がある。)
そしてケビン達はどこかに向かった。
〜グランセル・波止場〜
「くっ………どこに行った………!?たしかこちらの方に入って行った筈なのに!」
ケビン達を尾行していた人物――ダルモアの秘書をしていた頃に来ていた服装のギルバートはケビン達を見失い、慌てていた。
「なんや……兄さんやったんか。」
そこにケビン達が現れた。
「なっ………ば、馬鹿な………この僕の完璧な尾行術に気付いていたというのかっ!?」
背後を取られたギルバートは信じられない様子でケビン達を見た。
「あれのどこが完璧なのですか?」
「完璧って……ハハ、相変わらずやなぁ。」
「……誰?」
ギルバートの言葉を聞いたリタは首を傾げ、ケビンは苦笑し、ギルバートを知らないリースはケビンに尋ねた。
「一応、”蛇”の手先や。無数にある尻尾の先っちょくらいやけどな。」
「要するに”結社”の一般兵ですね。」
「………確かにそれっぽい。」
「さ、先っちょや一般兵言うな!それにそこの小娘!それっぽいとはどういう意味だ!?」
ケビン達の会話を聞いたギルバートはリースを睨んだ。
「…………………どこからどう見ても小物にしか見えませんし。勢い込んで空回りした挙句、勝手に自滅するタイプ………しかも懲りない。」
「なっ………!?」
「凄いですね。一度会っただけでエステル達から聞いた特徴をそこまで見抜くなんて………」
「あ、相変わらずやな。よく初対面でそこまで見抜けるモンや………」
リースの観察眼にギルバートやケビン達は驚いた。
「この人の雰囲気はわかりやすい………見事なまでの小物っぷりを漂わせているもの。」
「き、貴様………!ククク、いいだろう。そこまで言ったからには覚悟してもらうぞ
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