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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(3rd篇)
第2話
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スさん?」

「………なんでしょうか?」

「その………ひょっとして怒っとる?今までロクに連絡も取らへんで………」

「―――グラハム卿。」

「は、はいっ。」

リースに唐突に呼ばれたケビンは姿勢を正した。

「………5年という歳月があなたを守護騎士という要職に就かせたのと同じように………この5年間で私もまた変わりました。今の私は星杯の従騎士。あなたを支え、守るためだけの存在です。」

「………リース………」

「………ですから気遣いは無用に願います。そうでなければ………私がこのような格好をしている意味がありません。」

「…………………」

リースの話を聞いたケビンは押し黙った。



「………国際定期便の最終便に乗るのでしょう?早目に発着場に向かった方がいいかと。」

そしてリースはケビンの返事も聞かずに進みだした。

「あ、おい………」

その様子を見たケビンが声をかけたその時、お腹が鳴る音が聞こえた。

「………今の。」

「……………空耳です。」

「へ…………」

「グラハム卿。お疲れのようですね?ありえない音が聞こえてしまうくらいに。船に乗ったら座席で少しお休みになった方が――」

呆けて自分を見つめるケビンに口元に笑みを浮かべたリースが言ったその時、またお腹が鳴る音が聞こえた。

「………少しお休みになった方がいいかと思います。」

するとリースは一瞬固まった後、わずかに顔を赤らめて話した。

「くっ…………はははははははっ!『きゅるるる〜っ』って!お前、全然変わってへんやん!相変わらずいつも腹ペコやなぁ〜!」

その様子を見たケビンは大声で笑った後、安心した様子でリースを見つめた。

「こ、これはただの生理現象というものです。この程度の生理コントロールが出来ないのは修行不足の証拠………自分の至らなさを痛感します。」

ケビンに大笑いされたリースは自分のお腹を押さえて、説明した。

「至らなさって………クク、そういう問題ちゃうやろ。そやな〜、やっぱりリースは腹ペコやないとあかんで。そんで厨房に忍び込んでつまみ喰いしては怒られて………」

「っ………もういいです!」

ケビンの話を聞いたリースは顔を赤らめた後、ケビンを置いて先に進もうとしたが

「ああ、待った待った!」

ケビンが慌てた様子でリースの進む先を防いだ。



「………邪魔です。どいて下さい。」

「悪かった。謝るって。懐かしかったからつい悪ノリしてもうた。」

「………別に。謝罪の必要はありません。あなたの謝罪ほどいい加減で、その場限りのものはありませんから。」

「おっと、調子が出て来たな。一つお願いやねんけど………それ、止めへん
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