第2話
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おいそれと世俗の者に渡せるとでも………?……ただでさえリベールは”七至宝”を我々に断りもなく破壊するという勝手な行為をしたというのに。」
「そ、それは………」
「ふ、ふ〜ん。なかなか言ってくれるわね。でも悪いけど盟約が絶対である以上、そっちの法的根拠はないのよ?どうゴリ押しするつもりなのかしら?それに”輝く環”を破壊するという判断をしたのはリベール(わたしたち)ではなく、メンフィルと遊撃士協会よ。貴女も知っているでしょ?”環”を破壊した人の一人――”ブレイサーロード”はリベール国民だけどメンフィルの”侯爵”で”遊撃士”の一人だってことを。」
リースの説明を聞いたケビンは口ごもり、エリカは不敵な笑みを浮かべて言った。
「………法的根拠が無いのはそちらも同じではないかと。盟約を絶対とするなら力を失った古代遺物は誰も所有権を主張できません。ただそこに打ち捨てられた物。そう解釈するしかできない筈です。それに”ブレイサーロード”は貴女の仰る通り、確かにメンフィルの貴族で遊撃士ですが彼女に”異変”解決の為の依頼したのはリベール(あなたたち)。依頼者にも責任の一端があってもおかしくないと思うのですが?」
「要するに……そっちがこのままガメても文句は言わせないってことね?」
「ありていに言えば。」
「あら。ならメンフィルはどうなのかしら?向こうは生きた古代遺物をそのままガメて使っているじゃない。その実例から考えれば、既に死んだ古代遺物を私達がガメても問題ないのじゃないかしら?」
「………メンフィルは例外です。彼らは異世界出身なのですから、”盟約”は意味をなしません。……確かに彼らの行動も問題視されていますが、今の所問題はおこっていないので彼らの未知の技術力を信じて、彼らが古代遺物を扱っても問題ないと判断しているのです。」
「フン、よく言うわよ。……怖いんでしょ?かの”百日戦役”でエレボニアが蹂躙されたように、メンフィルに逆らった七耀教会……いや、星杯騎士団がメンフィルに蹂躙されることを。メンフィルが本気になれば、あなたたちを潰す事もたやすい事でしょうし。」
「…………………それとこれとは話が別です。」
「フン、上等じゃない………」
リースと舌戦を繰り広げていたエリカは鼻を鳴らした後、振り向いてケビンを睨んで言った。
「ケビン・グラハム!あなたの考えはどうなの!?」
「………どうなのですか?」
「オ、オレ!?いきなり振られても…………正直言うんなら回収したいのは山々ですわ。せやけど、リベールは色々と協力した仲ですから無碍にするんもちょいと………」
エリカに続くようにリースに尋ねられたケビンは慌てた後、苦笑しながら言った。
「ふむ、どちらの言い分にも決め手に欠けるということか。
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