第1話
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「もともと中央工房が進めていたサルベージで見つかった物だもの。当然の権利じゃないかしら?」
「……死んだ古代遺物は完全なブラックボックスです。いかなる手段をもってしても解析は不可能やと言われてます。それでも引き取りたいと?」
エリカの話を聞いたケビンは静かな表情で説明した後、苦笑しながら尋ねた。
「ええ、その通りよ。考えてもみなさい。あんな事件があった後なのよ?私はその場にいなかったけど少なくとも我々の常識は根底から覆されてしまったわ。七耀教会が千年かけて覆い隠してきた真実によってね。それに解析できないというけど、実際メンフィルは解析をして自分達の技術として扱いこなしているじゃない。知っているとは思うけどリベールとメンフィルは他国と違って非常に親しいわ。彼らと交渉すれば、ばリベール(わたしたち)でも古代遺物が使えるような技術を教えてくれるのじゃないかしら?実際リベールはメンフィルに導力技術を教えたんだから、その逆があってもおかしくないでしょ?」
「…………………………」
エリカの話を聞いたケビンは真剣な表情で黙っていた。
「”身喰らう蛇”とかいう得体の知れない結社も同じ。聞けば聞くほど、その技術水準はデタラメだわ。一体、何が真実で何が起ころうとしているのか………私を含め、大勢の人がもう無関心ではいられないのよ。
それこそ、手掛かりがあるなら何でも調べたくなるくらいにはね。」
「……………………」
「博士、そのくらいで。依頼人を問い詰めたところでどうなる問題でもないでしょう。」
説明を聞いて黙りこんでいるケビンを見かねたシードはエリカを宥めた。
「……まあね。とにかく……こちらの事情は説明したわ。この古代遺物―――いえ、ただの金属片の固まり。渡すの、渡さないの?」
「………それは…………」
エリカに尋ねられたケビンが戸惑った表情で呟いたその時
「『その一握りの迷いが邪なものを生んだ―――」
突然エリカ達の背後から女性の声が聞こえた!
「!?」
「な………」
(え………)
女性――シスターの登場にシードとエリカは驚き、ケビンはシスターの容姿を見て信じられない表情をした。
「『それは野を這いずり丘を駆け抜け空に災厄を振り撒いた………』―――エゼル記第二節、『解き放たれた災厄』より………」
シスター―――リースは聖書の一部を読んだ後、聖書を仕舞ってケビン達に近づいた。
「グラハム卿、遅くなりました。七耀教会、星杯騎士団所属、従騎士リース・アルジェントです。以後、よろしくご指導下さい。」
そしてリースは静かな表情で自己紹介をした…………
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