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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
外伝〜旅の終わり〜後篇
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…結局は戦いから逃れることができなかった。」

「…………………………………『人が人である以上、どこまでも闘争はつきまとう。なら、その戦いを通してどう争いを治めるか―――その”現実”を見添えた上で”理想”を謳う。』……それが師父の言葉だったな。」

「ええ……そして、その考えからすると……私は現実から目を逸らしたことになるわ。」

「おいおい……だからと言って、そうじゃないことはお前だってわかってるだろう。師父の言う”現実”は何も戦いだけを指しているわけじゃないんだからな。」

キリカの言葉を聞いたジンは呆れた後、真剣な表情で言った。



「……いいえ、それとこれとは別問題なの。この数年間……私はけっして自分の足で歩こうとしなかった。新たな活人の道……それを探すと言い訳しながら私は放棄していたのよ。……ギルドの居心地の良さに甘えながら、ね。」

ジンの言葉を聞いたキリカは答えた後、苦笑した。

「…………………………………」

「その意味で私は……父の弟子の中では一番の落ちこぼれかもしれないわね。その在り方の是非はともかく………あなたにしてもヴァルターにしても己の道を選び、歩き続けてきた。父の説いた活人拳に正面から向かい合って自分の答えを出した。

そしてそれぞれのやり方でこの世界という”現実”と向き合っている……まあ、ヴァルターはその結果、”死”という”現実”を受け入れなければならなかったけど………結局……私だけが歩いていなかった。」

「…………………………………いや……お前はちゃんと歩いてたさ。」

「え?」

考え込んでいたジンが呟いた言葉を聞いたキリカは驚いてジンを見た。

「ただ……それは他人のための道だったというだけだ。ギルドにいたお前は他人が進む道を踏みならすためにひたすら歩いた。そしてそれは……まさに活人の道だったと思うぞ。」

「…………………………………ふふ……もしかしてそれで慰めているつもり?」

「ぐっ……悪かったな口下手で。と、とにかく俺が言いたいのはだな……お前はあまりにも強すぎてあまりにも生真面目すぎるんだ。そして、その強さと真面目さがお前自身を縛っているように見える。」

「あ………」

「だから……キリカ。少しは肩の力を抜けよ。少し……ほんの少しでいい。そうすりゃ、お前なら色々と見えてくるはずだぜ。」

「…………………………………」

ジンの話を聞き終えたキリカはジンに背を向けて黙って考え込み、そして口を開いた。

「………ねえ、ジン。」

「ん、なんだ?」

「私が国に戻ったら嬉しい?」

「な、なんだ、いきなり。」

キリカの唐突な問いにジンは戸惑った。

「いいから答えて。」

「う、うむ………そりゃあ。
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