外伝〜旅の終わり〜前篇
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組織の一番のポイントね。」
「ふむ………それは興味深い話ですな。確かにエレボニアの軍情報局やリベールの旧情報部、そしてメンフィルの諜報部隊に比べても従来の組織は見劣りしますからな。」
「ええ……本当に。共和国は何につけても統制のなさがネックだから。………ゼムリア大陸を超える国力を持ちながら、統制を果たしているメンフィルがうらやましいわ。」
「ま、そこは移民を受け入れてきた国の性とも言うべきかもしれませんな。しかし、何より驚いたのはあの大統領が積極的に働きかけているって事ですか。これまでの政策を見る限りてっきり保守派とばかり思っていたんですが………」
「ま、それは現在置かれている共和国の情勢を考えるとうなずけるかもしれないわね。拡大を続けるエレボニア帝国、それをも超える国力を持つメンフィル帝国、それに国内に潜伏する過激派絡みのテロリスト集団………挙句の果てには”結社”
などという得体の知れない勢力まで現れた………もはやこうした情勢にただ指をくわえて見てるだけにはいかないでしょうから。」
「ええ、そうね。なんにせよ、これからの時代はより柔軟な対応が常に求められることは疑いないわ。……と、ここまで話が長くなっちゃったけど。そろそろ話を本題に進めさせてもらうわよ。」
ジンとキリカの言葉に頷いたエルザは2人を見て言った。
「ああ、キリカに話があるって事ですが………」
「―――それで、用意したポストは?」
「へ!?」
「ふふ………さすがと言うべきかしら。大統領の直属にして国内外の情報収集と分析を一手に引き受ける情報機関――……貴女には是非ともその一因となって共和国のために働いて欲しいの。それにあたって、貴女には室長クラスのポストが用意されることになっている。……これは大統領自らのご意向よ。」
「…………………」
「そ、そういう話か………しかし、どうしてまた大使さんがそんな話を?」
エルザの説明を聞いたキリカは考え込み、ジンは真剣な表情で尋ねた。
「ふふ、本来こういうのは各地に出向いているスカウトの仕事なんだけど…………ロックスミス氏とはずいぶん昔からの馴染みでね。キリカさんのことは個人的に頼まれちゃったのよ。」
「なるほど………」
「………私をスカウトする理由は?」
「あら、そんなことをわざわざ私に言わせるつもり?もちろん『泰斗流』の奥義皆伝としての腕前のも理由の一つではあるけど………それ以上に欲しいのは貴女がギルドの受付として示した卓越すべき情報処理と分析能力よ。それは新たな
機関において何よりも必要とされる才能だわ。」
「……………………」
「じ、事情はわかったが……現役の遊撃を目の前にしてギルドの人員を引き抜きとはね。なか
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