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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜白隼(リベール)の決断〜
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「……今更ですが、”空の女神”どころか未来と過去の人物達が現代に降り立ち、現代の者達と共に戦う歴史等、まさに”歴史上初”のとんでもない”歴史”ですな……」

リウイの説明を聞いたカシウスは疲れた表情で溜息を吐いた。



「それとメンフィル帝国が”零の至宝”――――キーアについてどうするかという質問があったが、手出しをして利用したりするつもりは一切ない。メンフィルにとってはキーアは恩人なのだからな。恩を仇で返す等”人”として恥知らずな真似をするつもりは一切ない。」

「え……」

「……キーアさんがメンフィルの恩人とはどういう事ですか?」

シルヴァンの答えを聞いたクローディア姫は呆け、アリシア女王は目を丸くして尋ねた。



「―――キーアの因果操作により、俺とイリーナを再会させた事を始めとし、メンフィルは多くの恩恵を受けた。事態が落ち着いた後キーアには一生遊んで暮らしても使い切れない程の莫大な金額の”謝礼金”を与える事が決まっている。」

「クロスベル帝国もメンフィル帝国と同じ意見―――キーアちゃんには一切手出ししません。私達にとってもキーアちゃんは恩人ですし、クロイス家のように”神の怒り”や”世界の禁忌”に触れる事―――”人が決して手出ししてはいけない領域”は心得ておりますので、キーアちゃんに手出しして利用する事は絶対にしません。それに何よりキーアちゃんは私達が守るべきクロスベルの民の一人なのですから、罪もない民に手出しをするという皇族として相応しくない事は絶対にしませんわ。その事についてはヴァイスさんとギュランドロス様も同じ意見です。」

「そうですか…………」

(まあ、ヴァイスさんの場合はキーアちゃんが女の子だからという理由もあるかもしれませんが……)

(た、確かに……)

リウイとルイーネの答えを聞いたアリシア女王は安堵の表情で溜息を吐き、クローディア姫とユリア准佐は冷や汗をかいて苦笑していた。



「―――では我々はこれで失礼する。ファーミシルス、父上、ルイーネ皇妃。行きましょう。」

「ハッ!」

「ああ。」

「かしこまりました。―――それでは失礼します。」

そしてリウイ達は客室から出て行った。



「…………”空の女神も認めた改変されたゼムリア大陸の歴史”によって、衰退もしくは滅亡の未来が待っている二大国にせめて、”救い”があるとよいのですが…………………」

「お祖母様……」

「陛下……」

「………………」

リウイ達が客室から出た後重々しい様子を纏って呟いたアリシア女王の言葉を聞いたクローディア姫とユリア准佐は辛そうな表情をし、カシウスは目を伏せて黙り込んでいた。
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