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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第38話
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「……わかりました、父さん。何としてもみんなと合流して、ここに戻ってきます。それまで、郷のことをよろしくお願いします……!」
「うむ、任された。行ってくるがいい、我が息子よ……!」
男爵夫妻に見送られたリィン達は渓谷道のヴァリマールが待機している場所に向かった。
〜ユミル渓谷道〜
「休眠状態ヨリ復帰―――
再起動
(
リプート
)
完了。―――”起動者”及ビ”準契約者”タチノ波形ヲ感知。」
リィン達が近づくとヴァリマールは起動した。
「ん、
霊力
(
マナ
)
は十分に復活しているみたいね。」
「ああ、これならいつでも”精霊の道”を開けそうだ。」
「はあ、何度見てもとんでもないわね……機甲兵は確かに凄いけど”騎神”は格が違うというか。」
「実際”機甲兵”単騎が相手なら相手にならないのではないかと。量産性、戦術的な運用では機甲兵にも利がありそうですが。」
溜息を吐いているアリサにシャロンは真剣な表情で説明した。
「これまでのことを考えると、”灰の騎神”への警戒も強まっているでしょう。何より、貴族連合には”蒼の騎神”がある―――使いどころをよく考えないと、足元をすくわれるかもしれません。」
「ん、言えてるかも。」
「……ええ。肝に銘じておきます。」
クレア大尉とフィーの忠告にリィンは重々しい様子を纏って頷いた。
「それでも……この”騎神”を見ていると何かを期待してしまうな。」
「要所要所で大活躍していますものね。」
「フフ……確かに。実際、ノルドを救えたのも彼やリザイラ達がいてこそだったからな。」
「あはは、ヴァリマールのあれはカッコよかったよねー。」
「はは……」
ヴァリマールの感想を言い合っている仲間達の様子を苦笑しながら見ていたリィンはすぐに気を取り直して仲間達の方に振り向いた。
「―――とにかく、俺達なりに頑張っていくしかないだろう。決して騎神に頼りすぎず、俺達自身で経験し、考えて……そうやって、少しずつ”答え”を見出していけばいい。」
「うん、そうだね……!」
「ま、お兄さんも及ばずながら力添えさせてもらうぜ。それで――――次の目的地はレグラム方面でいいんだったな?」
「ええ、そちらにプリネさん達以外の残りのZ組のメンバーがいるはずです。ヴァリマール、念のためレグラムだけもう一度調べてみてくれるか?」
「承知シタ―――南南東”れぐらむ”方面―――2名ノ波形ヲ確認。イズレモ生体反応ニ異常ナシ。」
リィンに指示されたヴァリマールはリィン達の予想外の答えを返した。
「2名……」
「逆算すれば、誰がいるかは何となくわかりそうね。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!
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