四十七話:譲れぬ戦い
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が高まっていき限界まで膨張したところで―――破裂する。
「―――フッ!」
「―――ハァッ!」
金と青紫がぶつかり合う。フェイトとトーレはどちらも高速機動型である。しかしながら狭い閉鎖空間では二人は本気で戦えても全力で戦うことはできない。どれだけ早く動けても移動できる範囲が限定されている。そうなれば速度の劣る相手でも先読みして対処することができる。
二人だけの戦いならどちらが勝つかは分からない。だが、ここにはもう一人のセッテが存在する。高速でぶつかる二人の合間を縫うようにブーメランを飛ばしフェイトの牽制を行う。二人がかりであっても簡単に負けてやる程フェイトは弱くない。しかし、このまま戦っても勝ち目は薄い。
「以前申したはずです。あなたでは私達に勝つことはできないと」
「……黙れ」
圧倒的優位に立っていることを理解して語り掛けてくるトーレに対し静かに怒りをあらわにするフェイト。それは彼女がこの場所とここの主にどうしようもない嫌悪感を持っているからこそ。普段とは自身が違うことにも気づけない程に彼女は精神が安定していなかった。
「やはり倒さなければいけませんか……。改めてご覚悟お願いいたします、フェイトお嬢様」
「覚悟するのはそっちだ…!」
まるで子どもの頃に戻ったかのような不安定さを宿しながらフェイトは二人の戦闘機人に突撃していくのだった。
ゆりかご内部。製造された年代は少なくとも1000年は前だというのにその構造は精密過ぎた。侵入したなのはとヴィータが何一つ違和感を覚えない程に現代に近い技術を誇り、一定の部分では現代技術すら凌駕している。まさにロストロギア。現代技術では再現出来ない失われた技術の宝庫だ。
そんな考古学者が見れば白目を剥いて卒倒しかねない事実にも足を止めることなく二人は進む。二人にはゆりかごの技術など何の興味なければ用もない。邪魔ならば壊して切り開くのみ。この船を止めるため、奪われた大切な者を取り戻すために。
「ヴィータちゃん。今、通信班からゆりかごの内部データが届いたんだけど……」
「駆動炉と玉座は逆方向にあんのか……どっちかだけで止まんのか?」
「わざわざ逆方向に作ってあるから、たぶん両方を壊さないとダメな仕組みにして防御力を上げているんだと思うから……」
「……二手に別れるしかねえのか」
現在内部にいるのはなのはとヴィータの二人のみ。勿論どちらも二人で壊していくという作戦もあるのだがそれはできない。ゆりかごが月の軌道上に到着する前に止めるのが任務。時間を多くかけることは極力避けたい。
最速で破壊と救出を行うためにはやはり二手に別れる以外の道はない。しかし、そうなれば当然身の危険は跳ね上がる。二人の時点で戦力が少なすぎるにも関わら
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