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八神家の養父切嗣
四十七話:譲れぬ戦い
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どの修練と願いが込められているのかとシグナムは内心で恐れおののく。しかし、肝心なものが足りないとも感じとる。それは相手を倒すという意思だ。

「それほどまでにレジアス中将の下へ行って何をするつもりですか? 復讐ですか」
「答える必要はない」

 ゼストはレジアスの下に辿り着くという目標に全てを傾けている。それこそ命などいらないとでも言うかのように。一人の剣士として相手にされないというのは少しばかり気になることではあるがそのおかげでこちらも消費を抑えて戦うことができている。

 ままならないものだ。そう心の中で呟きシグナムは業火と共に連結刃を放つのだった。





 道の端に整然と並べられている培養層。それが目に入る度にフェイトは表情を険しくしていく。かつて自分もああして生まれてきたのだと見せつけられているようで嫌だった。そして、それ以上に生命を弄ぶスカリエッティが許せなかった。

「フェイト執務官、大丈夫でしょうか? 先程から顔色が優れませんが……」
「大丈夫です。それよりも一刻も早くスカリエッティを捕まえてこんなことはやめさせないと」

 取り付く島もないように大丈夫だというフェイトにシャッハは心配そうな目を向ける。普段の彼女であればもっと余裕のある言動のはずだ。やはり、ものがものだけに思うところがあるのだろうと心境を思いやり目を伏せる。

 その瞬間だった。床の中から手が生えてくるというあり得ない現象を目にしたのは。

「フェイト執務官!」
「くっ…!」

 シャッハの声に反応し咄嗟に跳躍するフェイト。地面から突き出たセインの腕は掴むべきものが無くなりすぐに消え去る。しかし、二人の緊張は消え去らない。こちらの侵入が察知されているのは分かっていたがはっきりとした敵対行動はこれが初めてだ。つまり、ここからが本当の戦闘開始なのだ。

「どこに―――!?」
「シスター!」

 息を止めるようにして地面を見つめていたシャッハの脚が掴まれる。それに気づいたフェイトがすぐに助けようと駆け出すがシャッハはそれを止める。そしてあろうことか掴まれたまま自らの双剣で床を叩き壊す。

 まさか床ごと攻撃してくるとは思っていなかったセインは避けることもできずシャッハを掴んだまま下の層に落ちていく。それを見てフェイトは慌てて追いかけようとするがそれとは逆の方向から何者かが近づいてくるのを察し足を止める。

「フェイトお嬢様、ここに来られたということは帰還ですか?」
「この顔を見てまだそう言える?」

 バルディシュをザンバーフォームに変えトーレとセッテを睨み付ける。その様子に説得は殴り倒した後でするしかないだろうと悟るトーレ。それに習いセッテもブーメランのようなISを構える。

 お互いに動かぬまま緊張
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