外伝〜オーバルギア開発計画〜中篇(前半)
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らんかい。」
ティータが去った後、博士はエリカを見て言った。
「だからって、兵器の開発なんかに入れる訳にはいかないでしょ。………自分の手を離れたものが後々どのように使われても、研究者は口出しできない。私達はそこんとこ、ハラ括ってやるしかない。」
「……まあの。」
エリカの言葉を聞いた博士は目を伏せて頷いた。
「あの子の思いもわかるけど、オーバルギア計画に触らせるわけにはいかないわ。……私やあんたを超え、両世界の技術を扱える世界一の技術者になれるかもしれないという輝かしい未来が待っているあの子は、こんなことで悩まなくてもいいんだから……」
そしてエリカは寂しそうな表情で呟いた。一方ティータはダンにエリカに言われた事等を相談するために、ダンがいる場所に向かった。
〜中央工房・地下実験室〜
「……お父さん!」
「ティータ?ああ、ちょっと待って。今そっちに行くから。」
ティータに気付いたダンは作業の手を止めて、ティータの元に向かい、ティータから事情を聞いた。
「そうか……エリカさんは、開発に入れてくれなかったか……」
「うん……お母さんの言う事もわかるし、全然反論できないけど……でも、悔しい………」
「……エリカさんはお義父さんとは違って、明確な研究思想を持っているからね。情熱に突き動かされるのではなく、明確な動機を持って行動する……特に今回は、リベールの国防がかかっているんだ。確かにティータの話では太刀打ちできないかなぁ……」
肩を落としているティータにダンは静かな表情で語った後、苦笑した。
「…………でもわたし、レンちゃんとちゃんと向き合いたいんだ!わっ、わたしが言ってることは子供っぽいかもしれないけど!」
「ティータ……(こんな真剣な顔を見るのは初めてかもしれないな……)ティータの言ってることは、子供っぽいっわけじゃないと思うよ。でも、オーバルギアの開発にはやっぱり関係ないかな。たとえオーバルギアがあっても、その子と向き合うのはとても難しい事だろうし……ティータ、人と正面から向き合うという事はとても大変なことなんだ。多分、ティータが想像しているよりずっとね。ティータは優しい子だけれど、優しさだけでわかってくれるとは限らないから……」
ティータの真剣な表情を見たダンは驚いた後、静かな表情で諭した。
「うん……やっぱり、わたしにはレンちゃんと話をするのは無理なのかな……わたし、また何もできないよ……」
「……………さっきティータはエリカさんに掛け合って、逆に説得されてしまったんだろう?それはエリカさんが強い信念を持っているからだ。もしその子に深い事情があるのなら、ティータはそれ以上に強い心を持たないといけない。でないと、お互いに本音
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