外伝〜オーバルギア開発計画〜前篇
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工房がある部屋から博士の驚く声が聞こえてきた。
「エリカよ、本気でこれを作るつもりなのか?」
「……そのために帰って来たのよ。こんなものを制作できるのはリベールの中央工房(ZCF)しかない。少なくとも私はそう信じているわ。」
驚いた様子で問いかけて来た博士の言葉にエリカは真剣な表情で答えた。
「む、むう……しかしじゃな……」
エリカの言葉を聞いて博士が唸ったその時
「……お母さん?お祖父ちゃん?」
ティータが工房に入って来た。
「あらティータ、まだ起きてたの?もう12時回ってるんだから、早く寝なさい。」
「えっと、それって設計図……?なにない、わたしにも見せて。」
エリカの言葉にティータは答えず、エリカ達に近づこうとしたが、エリカが道を阻んだ。
「ほら、お風呂上りなんだし風邪引いちゃうじゃない。」
「ええ〜わたしにも見せて見せて!」
エリカの言葉を聞いたティータは頬を膨らませて言った後、博士の傍にある設計図らしきものを何とか見ようとしたがエリカに阻まれた。
「すごく複雑そうだけど……その右隣のやつって、オーバルエンジンだよね。かなりコンパクトなタイプ……あ、新しい飛行船かな?それとも………お母さん、わたしにも見せてよ!」
「ああもう、この子ったら。相変わらず、機械のことになると目の色変わっちゃうのね……」
「……お母さん!?誤魔化さないで!!」
苦笑しているエリカを見たティータは頬を膨らませて言ったその時、ダンもやって来た。
「こちらは片付きました。そろそろ始めましょうか。」
「あらダン、丁度いいところに。この子、頼むわね。」
ダンに気付いたエリカは笑顔でダンを見て頼んだ。
「ああ、そうだね。もう遅いし……」
「ええ〜っ!?」
ダンの言葉を聞いたティータは声を上げた。そしてダンはティータに近づいた。
「さっ、ティータ。」
「ちょ、ちょっとだけでいいから見せて!あのコンバーターのトルクが小さいのが気になる……」
ダンに促されたティータは頬を膨らませて言った。
「(うーん、ちょっと見ないうちにパワーアップしてるな……)ほらほらティータ、もう寝ようね。」
「で、でもぉ〜……」
ダンの言葉を聞いたティータは渋々寝室に行こうとしたが、3人の会話が気になり近づいたがダンに気付かれ、翌日には絶対教えてくれることを約束し、ダンと共に寝室に向かった。
「いい、お父さん。……絶対だよ!わたしが知らない内に作っちゃダメだからね!」
「うん、わかってるよ。女神様達に誓って約束は守ります。おやすみ、ティータ。」
真剣な表情のティータに念を押されたダンは頷いた
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