外伝〜旅立ちの朝〜
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レーネはエステルに耳打ちをした。
(もしかすれば……エクリア様も式に出席するかもしれません。)
(え!?本当なんですか!?)
(ええ。リフィア様がセリカ様の使徒の一人――マリーニャ様へ今回の結婚式の招待状を送ったんですが……その時、イリーナ様がエクリア様に手紙と招待状を同封されたんです。)
(……そうだったんですか……教えてくれてありがとうございます。エクリアさんとはいつか会ってリウイの事とかを含めて、話してみたいと思っていましたし。)
(………そうですか………)
エステルの話を聞いたペテレーネは静かな表情でエステルを見つめた。
(……驚いたわね……まさかセリカの使徒達と会えるかもしれないなんて。………本当にセリカを引き寄せそうね、エステル。)
(はい。えへへ……エクリアさん達は私の事を覚えているので久しぶりに会いたいです。)
(セリカの使徒………か………)
一方エステルの身体の中で話を聞いていたニルは驚き、テトリは期待するような表情をし、パズモは静かな表情で呟いた。そしてロレント市民や知人達にエステル達がそれぞれ別れの言葉をかけられた時、出発のアナウンスが入った。
――ボース方面行き定期飛行船、『セシリア号』まもなく離陸します。ご利用の方はお急ぎください。―――
「あらら………もう時間になっちゃったわね。」
アナウンスを聞いたシェラザードは名残惜しそうな表情で3人を見つめた。
「ではのう、3人とも。」
「………うん。」
「市長さんもお元気で。」
「行ってきま〜す!」
ロレント市長、クラウスの別れの言葉にエステル達は頷き、定期船に乗り込もうとしたその時
「………ヨシュア。」
カシウスは静かな瞳で声をかけた。
「「??」」
カシウスの声を聞いたエステルとミントは首を傾げてカシウスを見た。
「心は決まったのか?」
自分に背を向けて立ち止まっているヨシュアにカシウスは言った。
「……うん。父さん、僕は………ヨシュア・ブライトでいたい。そのために、大陸を回ろうと思う。」
カシウスの問いかけにヨシュアは頷いた後、振り返ってカシウスを見つめて言った。
「僕が僕であるということは、自分で掴み取らなくちゃいけない。そう、望まなくちゃいけないんだ。僕はヨシュア・ブライトとしてここにいたいから。エステルや父さんたちの側に。この町の人達の中に。
暖かい、この世界で暮らしたいから。だから………もう一度、自分自身の道をきちんと見極めて来ようと思う。」
「……そうか。フフッ、少しはいい顔になったじゃないか。」
迷いのないヨシュアの言葉を聞いたカシウスは笑顔になった。
「はは………あり
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