第三話 初対面
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あ、いえ。私はその・・・・・。」
「何でもいい。あなたが誰であれ、巨砲を備えているからには射撃ができるはず。見せてくれないか?」
「それは・・・・。」
紀伊は下を向いた。
「できないというのか?まさか一発も撃ったことがないと。だったらあなたはうそをついている。」
「日向さん!そこまでおっしゃることはないでしょう?」
筑摩が制止したけれど、日向は首を振って、紀伊を見続けている。
「そんなことは・・・ないですけれど・・・・。」
「なら、あなたの力を見せてほしい。」
紀伊は泣きたくなったが、ここまで言われた以上、もう引き下がれなかった。
夕刻――。
長い影のように暗く沈み切った紀伊をはさむようにして利根と筑摩は航空巡洋艦寮に帰ってきた。
「すまんな。嫌な思いをさせてしまった。」
利根が心底すまなそうに詫びた。
「いえ、私のふがいなさのせいですから。」
紀伊はそう言ったきり俯いていた。先の砲撃でも紀伊は標的をことごとくはずし、命中率20パーセントという最悪の記録を残してしまったのだ。
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