01 怨
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この世には様々な理不尽が存在している。
それは学校であったり、会社であったり、兄弟間であったり、様々だ。
だが、佐藤優夜はそ今、そんな理不尽とは比べ物にならない目にあっていた。
それはある1つの事件がきっかけだった。
ISに男性操縦者が見つかった、そんな事件であった。
ISとは通称で本来はインフィニットストラトスというマルチフォームスーツのことだ。本来は宇宙空間に進出していくための物だったが、白騎士事件をきっかけに世界のパワーバランスを崩しかねない性能を発揮したISは、今や一種のスポーツのようなものに落ち着いている。
だが、このISには欠陥ともいうべき物がある。
女性にしか扱えないのだ。
そのせいか、世界には女尊男卑が一般的になっており、男性は肩身の狭い思いをしている。
そんな女尊男卑を作り上げたISに日本において男性でも起動できる人間が出てきたのだ。
それが発覚した数週間後には全国で検査が行われた。
そして、幸か不幸かISを起動できてしまったのが佐藤優夜であった。
検査が行われたのは3月で当日中学3年生であった彼に訪れた最初の理不尽は進学するはずであった高校へ行けなくなったことだ。
次に、血液検査などの様々な検査をさせられ、それが全て終わったのが3月の20日であり、ISを起動できるとわかってから実に1週間が経っていた。
だが、ここで彼の理不尽が終わることはなかった。
優夜自身、これからは政府の施設などに隔離されるのだろうかと考えていたのだが、その予想の斜め上の知らせを受けた。
IS学園への入学。
それを聞かされた瞬間、優夜は頭を抱えた。
IS学園とは日本に設立されたIS専門の全寮制の高校である。なぜ日本にあるのかというと、ISの開発者が日本人だというところが大きい。
優夜が頭を抱えた理由としては、その学園には女子しかいないという点だ。
勿論のこと、ISは女性にしか扱うことができない。その為、IS学園には女子しかいないのだ。
男ならば両手をあげて喜ぶところだろう。だが、優夜は違った。
決して彼が、ホモとかゲイとか同性愛者だからとかいうわけではない。
ただ単に、女子校に入学するにあたってデメリットが多すぎる、つまるところ理不尽だったからだ。
▲
「あ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒ってるかな? ゴメンね、ゴメンね! でもね、あのね自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね自己紹介してくれるかな? ダメかな?」
緑色の髪で眼鏡をかけた副担任が目の前にいる男子にペコペコと謝っている。
目の前でなんともおかし
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