45.吾闘争す、故に吾在り
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た。
「そういえばどっかで聞いたことあるな。人間は高さ5,6メートル前後の物体に最も威圧感を感じるって……この威圧感から考えると、ありゃ案外マジかもなぁ。こいつデカくて固いからキライなんだよ」
流石の俺の鎖も真正面からあの甲羅をぶち抜くのは難しく、あれでは一撃で殺しかねる。しかも甲羅の隙間から見える皮膚なども見事に硬質化しており、どこを攻撃しても苦戦必至という腹立たしい仕様だ。
こちらが仕掛けてこないのを好機と見たウォール・トータスは手足や頭を格納して全身をボールのようにバウンドさせ、回転しながら出鱈目に突進してきた。トータス自身もどこへ飛んでいるのか完全に把握できないランダム攻撃が俺の周囲の地盤を抉り飛ばしていく。降り注ぎ跳ねまわる石のシャワーから鎖で身を守りつつ、強烈な攻撃に悪態を漏らす。
「まったくいつ出くわしても派手に動くな……!このサイズでスーパーボールとかおかしいだろ!」
直撃コースを避けつつ虚空に鎖のレールを敷いて強引にトータスの軌道を変更すると、奴はレールを綺麗に滑って着地して甲羅から顔を出した。その隙を逃さず鎖を放つが、予想以上に俊敏に動いた首の頭突きで鎖は軌道を逸らされる。
これでオーネストなら顔面を踏み潰すという意味不明火力の強烈ストンプを見せる所だが、生憎俺の脚はあいつの黄金の蹴りには劣る。具体的にはどこぞの海賊漫画の黒コックを二回りほど弱くした程度の技術と威力だ。
「あのカメ一応魔法弱点だけど………」
地響きを上げて突進してくるウォール・トータスの迫力を前に、俺は虚空に手を伸ばす。その指先に、つめたく硬い感触。何もない筈の虚空から這い出るように現れたそれを一気に引き抜くと、そこには俺の身長より長い2M近くの大鎌『断罪之鎌』が握られていた。
「ではここで質問です。俺の鎌は魔法に含まれるでしょ〜……かッ!?」
全身を回転させて、地面を抉るように鎌の尖端を下から上へ斬り抜ける。
重量があるのか、ないのか。切れ味があるのか、ないのか。曖昧な感覚と共に振り抜かれた鎌の切先が、巨大な岩のような魔物を音もなく真っ二つに切り裂いた。
いや、それだけではない。斬撃の余波がトータスを貫通して奥にいた数体の魔物ごとダンジョンの壁を貫通していた。断罪之鎌に切り裂かれた壁は当分直らないのはやっぱりこの鎌がおかしな特性を持っているからだろうか。
「どう思う、オーネ………」
「俺を殺しきれなかった貴様に目は必要ない!!耳も、鼻も腕も足も首もッ!!全てを抉られッ!!戦士としての価値さえ喪失しッ!!何故自分が敗北したのかさえ理解でぬまま血達磨になれぇぇぇぇーーーーッ!!!」
「うわーお久々に猟奇殺人してらっしゃるッ!?」
空気を強引に押しのけるような斬撃と共
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