45.吾闘争す、故に吾在り
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『まさか、まだ信じてたのか?馬鹿だな……そんなんだから食い物にされるんだよ』
知ってるよ。
『きみより先に、天国にいくね。きみはまだ、来ないで……』
余計なお世話だ。
『こんなに愛しているのに……どうして私の手元を離れてゆくの?』
結果が全てだろうが。
『ああ、あのガキか。役に立たないんでヤク漬けにして放り出しておいた。で、それが?』
『だからさ、本気でお前みたいな得体の知れないクソガキのために命を賭ける人間がこの世界に何人いると思う?ゼロだよ、ぜ〜ろ』
『クソがぁ!!クソがクソが、お前ぇ!!お前の方が死ねよ!!何にも護るものがないくせにさぁ!!何で俺だよ、おかしいだろ!!お前が死ねよぉぉぉぉーーー!!』
『こんな子供を痛めつけてまで仕事するのが大人のやることかぁ!?』
『人間は神の被造物!!それを神が好き勝手して何が悪いというか!!下劣な猿が、我を見下すなぁぁぁぁぁ………ッ!!』
『おかしいね。再会したら抱きしめようと思ってたのに、手が無くなっちゃった――』
『ええと、君はダレでしたっけ?あはは、意味の分からない事を言う子供ですねぇ。出会ってなければ約束など存在しないのと同じことでしょう。分かります?君なんて知らない――そういうコトです』
『命の価値を教えてやる。2千ヴァリスだ、お前のはな』
『ああ、悍ましい!!生きていることが恥ずかしくないのですか!?僅かでも恥じるのならば今直ぐ死にませい!!死んで夫に詫び、血の海に溺れて苦しみながら煉獄に堕ちませい!!』
『これだから……てめぇみたいな死にたがりの餓鬼は………反吐が出る程嫌いだよ――!』
『お前はなぁ!!そうやって目的もないくせにいつも生き延びて、周りの命を啜ってるんだよ!!お前がいるから俺みたいな関係ない奴が割を食って!!死ね!!俺と一緒に死んで、お前だけ地獄に堕ちろぉぉッ!!』
知ってるんだよ、俺は。俺の存在が俺の周りを最も傷つけるなんてことは、当の昔に知ってたんだ。だから、馴れ馴れしく近付いてくる奴を遠ざけたかった。
迷惑で、鬱陶しくて、その癖して巻き添えを食った時だけ自分は悪くないと言い訳する奴は嫌いだ。
非力で、一方的で、何も出来ない癖に光に近づこうとして傷付く軟弱な奴も嫌いだ。
どいつもこいつも勝手に俺を巻き込んで、俺に巻き込まれて不幸になる。
だから――嫌いだ。
『俺達のことも、本当に嫌いか?』
不意に、友達を名乗る男から投げかけられた問いが脳裏をよぎった。
『ああ、大っ嫌いだ』
俺はその時、あいつの目を見て言葉が言えなかった。
= =
人類は本質的に争う生物である、という思想が
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