機動戦艦ナデシコ
1331話
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食べるとやっぱり感じるのは1つの感情だけ。
「美味い」
それしか言葉が出てこない。
正直、何だってこんなに美味いのか、本気で分からない。
フライドポテトだぞ? ジャガイモを切って揚げる……他に手間を掛けるとしても、あく抜きやら一度下茹でしてから揚げるとか、それくらいしか思いつかない。
実際ナデシコ食堂でもアキトやホウメイが頑張って再現しようとしていたが……結局はお手上げだったし。
こういうのを何て言うんだったか。
お手上げ侍?
うん? このお手上げ侍ってどこから出てきた言葉だ?
まぁ、いい。今はそんな事は関係なくこのフライドポテトを味わおう。
ふと気になって他の面子へと視線を向けると、そこでは予想通りの光景が広がっていた。
大きく目を見開き、動きを止めている。
そしてゆっくりと味わうように口の中にあるフライドポテトを噛み締めると飲み込み、再びフライドポテトへと手を伸ばす。
「どうだ? 美味いだろ?」
そう声を掛けると、あやか、千鶴、エザリア、イザークの4人はそれぞれ我に返ったように頷きを返す。
「あ、ああ。何でただのフライドポテトがこんなに美味いんだ?」
信じられないといった表情で呟くイザーク。
「さて、それは分からない。ナデシコでもこの美味さの秘密を突き止めようとして食堂のコックが頑張ってたけどな」
「……ファーストフードよね?」
確認するように告げる千鶴の言葉に頷きを返す。
「そうなると、そこまで大袈裟な手を加える事は出来ないから、そんなに複雑な手間じゃないと思うんだけど……」
首を傾げながらも、千鶴はフライドポテトを口へと運ぶ。
全員が千鶴の言葉に頷きながらも、フライドポテトへと舌鼓を打つのだった。
ちなみにそれから暫くして、50個のフライドポテトが届けられて、他の客に思い切り注目されてイザークにジト目を向けられる事になったが、それはそれだろう。
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