妖精たちの罰ゲーム
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意を受けるが、全く気にした様子もないカナ。そんなことをしていると、教会の奥にある大きな広場につく。そこには、シリルとウェンディぐらいの歳の子供たちがたくさん集まっていた。
「カナだ!!」
「カナが来たよ〜!!」
「わ〜い!!」
カナの周りに集まってくる子供たち。それに呆然としている二人のチビッ子に、ブロック神父が声をかける。
「おおっ!!君たちが前にカナが話していたシリルさんとウェンディさんかね」
「「え?」」
一体何の話をしているのかさっぱりな二人。とりあえず間違ってはいないので頷いておくと、それを見た子供たちは目を輝かせている。
「シリル!!?」
「ウェンディ!?」
「あのシリルとウェンディ!?」
「大魔闘演武見てたよ!!」
「わーっ!!本当に俺たちと同じ歳くらいなんだね!!」
あっという間に囲まれしまう水竜と天竜。まだ事情を飲み込めていない二人は、目を白黒させながらカナとラクサスに視線を向ける。
「え?これって一体・・・」
「あの・・・カナさんコレ・・・どういうことですか?」
「何でもねぇよ」
「いーから、相手してやんな」
めんどくさそうなラクサスと笑みを浮かべて教会の子供たちに囲まれている二人を見ているカナ。
「ねーねー!!大会の話聞かせて!!」
「あ・・・うん」
「シェリアって強かった?」
「レオンってやっぱりすごい?」
「かっこいい人いた?」
次から次に質問攻めにされている二人。彼らをここに連れてきた二人は、少し離れた場所からその様子を見守っている。
「服のセンスはイマイチだのぅ」
「言われると思ったからおめかしさせてこようと思ったんだけどね」
「いや、あんたにだけは言われたくねぇよ」
神父の言葉に予想通りといった顔をするカナとズバッと本音をぶちこむラクサス。神父はその突っ込みには何も答えず、子供たちの方を見つめている。
「悪いねラクサス。せっかくの罰ゲームを」
「いいよ。カミュにシリルをあんまいじめんなよって言われてっしな。それに」
下げていた視線を上げ、シリルとウェンディを見た雷竜。その瞳に映った彼らは、ギルドで見せる表情よりも何倍も輝いていた。
「いい面してんじゃねぇか、あいつら」
「間違っても襲うんじゃないよ」
「誰がだ!!」
そして日が落ち、辺りが暗くなった頃、教会の子供たちとお別れを告げたシリルとウェンディ、そして彼らを連れてきた二人の男女は近くの森にやって来ていた。
「あそこの教会は身寄りのない子供たちの世話しててさ。私も昔ちょっとだけ世話になったんだよ」
「カナさんが?」
「なんでですか?」
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