SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第18話 夕暮れの死闘
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――何でだ……!?
どれだけ考えても答えは出ないと頭ではわかっているのに、同じ言葉が反芻される。
そんな不安定なメンタルに陥っていても、トッププレイヤーとして今まで戦ってきた戦闘経験が勝手に発揮され、今も連続で振り続けられている相手の剣をほぼ自動的にカタナで防いでいた。
だんだんと切り替わりつつある思考回路を必死に駆使しながら、冷静に状況を分析する。
今、自分は襲われている。理由は一切不明。目の前で一心不乱に僕に向かって剣を叩きつけているプレイヤーに見覚えはない――というか、どんなプレイヤーか判断できなかった。
何故なら着ているコートについているフードを目元まで深く被り、顔が見えないからだ。これでは知り合いかどうか以前に男か女かすらも判別できない。まあ、SAOのプレイヤーの八割以上は男性だから、このプレイヤーも男なのだろうが。
しかもこのプレイヤー、フードを被るだけでなく、コートもきっちりと締めているから、体格やどんな防具を身につけているのかすらもわからない。唯一わかるのは、身長と武器だけ。
身長は僕と同じか少し高いぐらい。身長から考えるに、僕と同年代なのかもしれない。
そして、装備している武器の種類は片手剣だ。僕の見たことのない種類の片手剣だった。恐らくは武具店に売ってあるものではなく、モンスターからのドロップ品。しかも装飾の緻密さ、剣身の光沢からしてかなりの一級品だ。攻略組の持つ武器とランクやステータスは大して変わらないかもしれない。
「ぐっ……ぅあ……??」
何より、この連撃。スピードはアスナよりも当然遅いが、それでも速いと言える速度、そしてこの一撃の重さだ。
普通、スピードが高いなら威力は反比例するように軽くなるのだが――もちろんレベルが高ければ、その問題はなくなるが――、このプレイヤーが繰り出す連撃はどちらが劣るということもなかった。速いし、重い。いったいどういう風にポイントを振り分ければ、こんなステータスを得ることができるのか。まったくわからなかった。
しかも、今朝のアスナとのデュエルのときとは違い、多彩な攻撃を仕掛けてくる。アスナは武器である細剣の性質上、突きをメインとした攻撃を行っていた。
しかし、今回の相手は片手剣。縦斬り、横斬りはもちろんのこと、突きや斬り上げも使ってくる。こうも多くの方法で攻撃されるとなると、防御が厳しくなってくる。ガードするためにどんな軌道かを判断する必要があるからだ。今朝のときよりワンテンポ反応が遅れてしまう。今は何とか防ぎ切れているが、そろそろ保ちそうにない。
「こ……のぉお……!」
状況を打破するべく、さっきまでよりも力を込めてカタナを薙ぐ。剣を振ろうとしていた相手は中断し、後ろに跳ぶことでそれを回避した。
僕は少し荒くなった息を整えながらカタナを相手
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