暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第18話 夕暮れの死闘
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た相手の様子を伺う。向こうの対処も大体感覚的にもわかってきた。これなら――。
 僕は勢いよく木から飛び出て、カタナを上段の構えから思い切り振り下げた。しかし、また片手剣で受け止められ、弾かれる。これは予想済みだ。カウンターとして繰り出された突きを瞬時に中段に構えていたカタナで弾き上げる。
 ――いける……!
 確かな手応えを感じ、斬り上げた状態からそのまま上段の構えを取った。フードの奥から息をのむ音が聞こえた。
 さらに強い自信がみなぎるのを感じながら、僕は渾身の力を込めて斬り下ろす。
 だが直後、予想もしない出来事が発生した。
 刀の刃が届く寸前に、フードマンは左手を素早く動かした。すると、彼が右手に持っていた片手剣が消え、代わりに短剣が出現する。
 その一瞬の出来事に、僕は無意識に目を見開く。次の瞬間、驚くべき速さで戻ったきた右手に握っている短剣が僕のカタナとフードマンの体の間に割り込み、硬質な音が響き渡った。さらに横に流され、カウンターをもろに喰らう。
「が、は……??」
 鳩尾の辺りから鋭い衝撃を味わいながら、何があったのかを頭で冷静に分析する。そして、一つの結論に至った。
 恐らく瞬時に武器を変更したあのスキルは、《クイックチェンジ》だ。片手用の武器を瞬時に入れ替えることができる、割と序盤で手に入れることが可能なスキル。カタナが両手武器だとわかってから、僕は全く関心がなかったスキルなので、あまり詳しい知識はない。だけど片手武器を使うプレイヤーにとっては、かなり重宝するスキルだろう。
 しかし、マズいな……。
 衝撃のあまりの強さに体が宙を浮きそうになるのを抑えながら、焦りを感じる。何とか地面から足が離れることはなかったが、さっき受けた攻撃で、ついに残り六割を切ってしまった。いよいよ危ない。
 何より片手剣だけでも相当対処がキツかったのに、短剣まで使われたらどうなるというのか。本能的に先を想像することを拒み、思考がストップする。
 普通、というかほとんどのプレイヤーは武器スキルを一つしか取得しない。理由は簡単なことで、複数取ってしまったらスキル熟練度が上昇しにくいからだ。
 そもそも熟練度は、かなり根気よく頑張らないと上昇しない。最前線で一日中モンスターを倒していったとしても、よくて三十上がるか上がらないかぐらいだろう。しかも、上がるたびに上がりにくくなっていくので、本当に気が滅入る作業だ。僕の今のスキル構成も戦闘系のものがほとんどだし、戦闘系のがダントツで熟練度が高い。
 咳き込みながら前を見ると、いつの間にかまた短剣から代わっていた片手剣が目前まで迫っていた。勢いよくしゃがんで回避したかと思ったら、今度は蹴りが顔面に飛んでくる。カタナでの防御が間に合わず、両腕をクロスさせて何とか防御。耐えきれずにすぐ後ろにあった木
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