暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第18話 夕暮れの死闘
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口からこぼれた叫び声を出しながら、僕はカタナを全力で振るった。
 しかし、今回もまた片手剣でガードされる。硬質な音を無関心に聞きながら、第二撃。これも弾かれる。
 ――強いな。
 この戦闘が始まってから何度も思ったことだが、何度も思わざるを得ない。
 相手に攻撃をさせないために、数分以上攻撃を続けているのに、なかなかヒットしない。スピードは僕の方が上のはずだが、これだけ回避されていると、その自信もなくなってくる。
 ――しまっ……!
 つい大振りの攻撃をしてしまい、わずかな隙が生まれた。相手が逃してくれるわけがなく、僕の攻撃を体を逸らして回避したあと、右手に持つ片手剣を僕の首に向かって薙いだ。
 ほとんど反射的にすばやく踏み込んでいた片足から重心をもう片方に移動させて、後ろに跳ぶ。ギリギリ首を斬られることを避けれたが、首元に小さな赤い線が走るのを感じた。同時に七割を切っていたHPゲージが、また数ドット減少する。
「っぐ……??」
 右手で斬られた部分を押さえながら、さらにもう一歩分下がる。そして、それを待っていたかのように相手が反撃を開始する。攻撃をさせないように攻撃を仕掛けていたのに、予想よりも続かなかったことを内心舌打ちしながら、カタナを構える。
 この戦闘が始まって、もう体感的には三時間以上経っているような気がする。だけど、きっと本当は一時間も経っていないだろう。だが、長時間の戦闘で向こうの癖やパターンがわかってきた。最初の頃よりも回避はできるようになってきている。
 ――とはいえ、だ。すでに日は落ち始め、辺りは暗くなりつつある。足場も良いとは言えないし、暗くなればなるほど不利になるのは確実だ。索敵スキルを取ってはいるが、あれはプレイヤーやモンスターを見ることはできても足場やフィールドを見渡せるわけじゃない。
 だけど――。
 一歩分下がったことにより、すぐ後ろにある僕よりも太い木の背後に回って斬撃を防ぐ。ガスッ! という音と背中越しに強烈な振動が伝わってきた。
 筋力値では明らかに及ばないが、こうして周りに生えている木々を利用すれば何とか防ぐことができる。これまでの攻防をする中で大体どこに木があるのか把握できた。この防御をうまく使えれば戦闘を有利に動かせるかもしれない。
 しかし、それは向こうも同じことだ。向こうだって僕の攻撃を木の後ろに隠れて防ぐことができる。だが、僕の攻撃を受け止めきれる自信があるからか、同じことをしてくることはない。少し悔しい気もするが、ステータスを覆すことは無理だからぐっと堪えるしかない。
 片手剣から繰り出される通常の連続攻撃をカタナで叩き落として軌道をズラしたり、どうしても無理な場合は、木の後ろに逃げたりしながら避けていく。
 木の後ろに隠れるたびに荒くなっている呼吸を落ち着かせながら、ま
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