暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第46話「前を向いて」
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


  強さが足りないのは、結局変わらない。悲しいのも、変わらない。
  それでも前を向かなきゃと、僕はそう思うようになった。

「..っと、もうすぐSHRだ。席に座っとくよ。」

  そう言って、僕は自分の席に座る。

「....羨ましいな。その心の強さ....。」

  どこか諦めたような、そんな司さんの言葉を聞き逃して...。









「はっ!....せやっ!」

  学校が終わり、僕は家の庭で木刀を振う。
  ...結局、皆暗いままだった。
  昼休みはアリサちゃんとすずかちゃんと一緒だったけど、二人も落ち込んでいた。
  皆、緋雪を喪った事がだいぶショックなんだろうな...。

「(身近な人の死...。...皆は、それを経験してないからかな。)」

  元々、僕みたいなのが異例すぎるんだ。
  普通はこれぐらいショックを受けると思う。

「(でも、乗り越えなければ、何も変わらない...!)はぁっ!」

  ヒュン!と、空気を切り裂く音が響く。
  今行っている素振りは、体に負担は掛けず、尚且つ技術は高めれるようなものだ。
  無理をしないと決めた以上、負担はかけられないからな。

「(僕には“攻撃の姿勢”が足りない。導王流が防御向きなのもあるからだけど...。)」

  だからこそ、自身から“攻撃”する技術を身に付けている。
  導王流は既に極致に至っている。だから、今更それをどうこうしても意味がないからね。

「(幸い、導王流とこの水のように静かな動きは相性がいい。だから...。)はぁっ!」

  木刀を振り、少し離れた所に立てておいた木の棒(創造魔法によるもの)が斬れる。
  水を切るような斬り方で、空気を切り裂き、鎌鼬擬きを発生させたのだ。

「....っと、ここまでにしよう。」

  体の動きに違和感を覚える。
  これ以上は体に負担がかかると察し、僕は素振りをやめて家に入る。

「お疲れ様、優輝。はい、飲み物よ。」

「ありがとう、椿。」

  椿からスポーツドリンクをコップ一杯貰う。
  椿や葵からは、体に負担をかけないという信頼を得たので、こうやって無理しない程度の特訓は普通に認可してくれる。

「...独特な動きだけど、特に何かの流派って訳でもないのよね?」

「まぁね。導王流を参考にしてるけど、なんというか...。」

  さっきの素振りの動きに関して、椿が聞いてくる。
  似た動きはどこかにあるかもしれないけど、あれは一応オリジナルの動きだ。

「...でも、防御主体の導王流を攻撃に変えたから導王流には変わりない...のか?」

「...曖昧ね。」

  所謂防御を攻撃に転換し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ