第2章:埋もれし過去の産物
第46話「前を向いて」
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強さが足りないのは、結局変わらない。悲しいのも、変わらない。
それでも前を向かなきゃと、僕はそう思うようになった。
「..っと、もうすぐSHRだ。席に座っとくよ。」
そう言って、僕は自分の席に座る。
「....羨ましいな。その心の強さ....。」
どこか諦めたような、そんな司さんの言葉を聞き逃して...。
「はっ!....せやっ!」
学校が終わり、僕は家の庭で木刀を振う。
...結局、皆暗いままだった。
昼休みはアリサちゃんとすずかちゃんと一緒だったけど、二人も落ち込んでいた。
皆、緋雪を喪った事がだいぶショックなんだろうな...。
「(身近な人の死...。...皆は、それを経験してないからかな。)」
元々、僕みたいなのが異例すぎるんだ。
普通はこれぐらいショックを受けると思う。
「(でも、乗り越えなければ、何も変わらない...!)はぁっ!」
ヒュン!と、空気を切り裂く音が響く。
今行っている素振りは、体に負担は掛けず、尚且つ技術は高めれるようなものだ。
無理をしないと決めた以上、負担はかけられないからな。
「(僕には“攻撃の姿勢”が足りない。導王流が防御向きなのもあるからだけど...。)」
だからこそ、自身から“攻撃”する技術を身に付けている。
導王流は既に極致に至っている。だから、今更それをどうこうしても意味がないからね。
「(幸い、導王流とこの水のように静かな動きは相性がいい。だから...。)はぁっ!」
木刀を振り、少し離れた所に立てておいた木の棒(創造魔法によるもの)が斬れる。
水を切るような斬り方で、空気を切り裂き、鎌鼬擬きを発生させたのだ。
「....っと、ここまでにしよう。」
体の動きに違和感を覚える。
これ以上は体に負担がかかると察し、僕は素振りをやめて家に入る。
「お疲れ様、優輝。はい、飲み物よ。」
「ありがとう、椿。」
椿からスポーツドリンクをコップ一杯貰う。
椿や葵からは、体に負担をかけないという信頼を得たので、こうやって無理しない程度の特訓は普通に認可してくれる。
「...独特な動きだけど、特に何かの流派って訳でもないのよね?」
「まぁね。導王流を参考にしてるけど、なんというか...。」
さっきの素振りの動きに関して、椿が聞いてくる。
似た動きはどこかにあるかもしれないけど、あれは一応オリジナルの動きだ。
「...でも、防御主体の導王流を攻撃に変えたから導王流には変わりない...のか?」
「...曖昧ね。」
所謂防御を攻撃に転換し
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