第2章:埋もれし過去の産物
第46話「前を向いて」
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霊力も、あたしの魔力も、リンカーコアの魔力も、皆扱い方は同じ。だからあたしとユニゾンした時はかやちゃんも使えるはずだよ。」
「...いや、今は私じゃなくて優輝の事なんだけど...。」
葵が元々扱ってた魔力も同じ扱い方なのか...。
「...自然治癒は、霊力を全身に巡らすようにするだけで高まるわ。」
「....そうみたいだな。巡らし方を弄れば、もう少し高めれそうだ。」
「早速使ってるのね...。」
魔力での身体強化に似ているな。
しかし、霊力だとなんというか...乾いた喉を水で潤す感じ?なんだよな...。
ちなみに魔力の身体強化の場合はお風呂とかで体の芯から温める感じだ。
「そっちの魔力と違って、全身を覆う障壁のような物は霊力では常に張っていなかったのよ。術式を込めた物で近い事はできたけど...。」
「...そこで、この技術か...。」
自然治癒としか言ってはいないが、身体強化も兼ねているらしい。
これなら、戦闘中で傷ついても戦い続けられるって訳だ。
「....とりあえず、今日はここまででいいよ。治癒力を高めたかった訳だし。」
「明日は学校だものね。分かったわ。ここまでにしましょう。」
「あたし、あんまり来た意味なかった?」
切り上げて、夕方なのでそろそろ夕食に取り掛かる。
...うん、葵が来た意味は...霊力と魔力の共通点を知らせてくれた事ぐらいだな。
「(....悲しみは乗り越えた。もう、無茶する事はないだろう。....だけど、これ以上何かを喪うのが嫌なのは変わりない。)」
霊力を体に巡らせながら、僕はそう考える。
...強くなるのは、変わりない。ただ、無理をするかしないかの違いだけだ。
「(...それぐらいはいいだろう?緋雪。)」
元々、以前から強くなるつもりではあったんだ。
強くなるやり方が少々変わっただけで、特に変化はない。
「おはよう。」
「「「.......。」」」
...相変わらず、教室の雰囲気は暗めだ。
緋雪の事は、僕らのクラスでも結構知られてたからな。
「....優輝君...。」
「おはよう、司さん。....もう、大丈夫だ。」
未だに心配そうな顔で、司さんは僕にそう言ってくる。
そんな司さんに、僕はしっかりと大丈夫だと伝える。
「っ.....。」
「悲しんで、立ち止まってばかりじゃ、ダメだ。...僕は、緋雪の分も生きる。」
そう言っても、司さんは暗い表情のままだった。
「....強い、ね。優輝君は....。」
「...強くなんかないさ。...強かったら、緋雪は...。」
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