第二部
狩るということ
にじゅう
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既にもう1人、彼女へと抜き放ったロングソードの軌道は、彼女を脳天からカチ割るかの如く降り下ろされていた。
だが、それよりも早く、事態の異変に気が付いた私は既に木から跳び、光学迷彩を行ったまま彼女の前に躍り出て、リストブレイドでそれを受け止める。
「んなっ!?」
驚きは一瞬。
斬り付けてきた騎士の反応は早かった。
目に見ない異常事態に、咄嗟に剣を引いて後方へと跳ぶ。
流石は騎士団。そのトップに立つ男の側近といったところか。
総隊長と呼ばれた男も既に剣を抜き、油断なくこちらを睨み付けている。
いまのいままで姿が見えなかったことにより、確かに驚きはあったであろうが、こう近距離にいては私の空間が多少歪んで見えているだろう。そこに何かが存在することは認識できているようだ。
私は光学迷彩機能を切り、紫電を纏わせながらその姿を露にする。
思い出した初心をいきなり忘れるハメになるとは、私も予想外であった。
驚愕に目を見開く騎士3名。
私は喉をならし、前を見たまま背に庇った彼女へと口を開く。
「……嵌めやがったな」
と。
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