第二部
狩るということ
にじゅう
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いったというわけだ。と言うよりも、バーサーカーの奴等はこの若い個体の集まりを狙い、この星に連れ込んで、嬉々として虐殺に近いことを行っていたのがレコーダー確認することができた。
やりきれない、グツグツとした気持ちを押し込み、ゆっくりと立ち上がった私の背後に3つの反応が近付いてくるのをヘルメットが知覚する。
振り向いた私の視線の先には、既に事切れた若いクラシック種の同胞の足を持って引きずっているバーサーカー種の1体と、それよりも若干大柄な、クワガタのような角を生やしたヘルメットを着けている者が1体、その後ろに一際大きな体格のリーダーと思われる個体を1体認める。
同胞の足を持っていたバーサーカー種がその手を離し、私へと威嚇するようにその手を広げて咆哮する。
「うるせーよ」
嘲笑を滲ませて言い放つ私に、3匹の中で恐らく一番の下っ端が1枚刃のリストブレイドを伸ばし、突っ込んでくる。
私は1発、その足元にプラズマキャスターを放つ。
奴は馬鹿正直にその一撃で足を止め、土煙から顔を守るように背けた。
「だから下っ端なんだよ、お前は」
そう言った私は既に奴の懐まで潜り込み、突き上げる掌底で顎を打ち抜く。
数本の歯と骨の砕ける音を聞きながら、宙へと舞う奴のヘルメットを視界の片隅に入れる。
脳を揺さぶられ、全くの無防備な箇所へ痛打を決められた下っ端は、力無く地面へと膝を付いた。
私はそいつの頭を両手で持ち、口から蛍光色の血を蟹のように泡立たせている顔面に膝を一度叩き込む。
頭蓋骨が砕け、脳へと突き刺さる感触を感じるのと、奴のヘルメットが地面へ落ちるのは同時であった。
私は顫動音を鳴らしながら首を回し、前を見据えて残った2体へ人差し指を立ててから、二度倒す。
――かかって来い、と。
―
結局、私は彼女からのお願いを受けることになったわけで。
現在彼女が近くの村に向かい、この遺品を運ぶための荷馬車を用意して戻ってくるそれまでの間、私はこの場でお留守番となったわけである。
光学迷彩機能を起動させ、木上で昼寝をしていた私であるが、随分と懐かしい夢を見たと苦笑いする。
そういえばそんなこともあったなと。あれは冒険者になってすぐの出来事であったと記憶しているが、リーダー格と思われた個体は逃がしてしまっており、ついぞその後の消息は分からなかった。
右手首を切り落としはしたが、あんなもので死ぬほど我々種族は柔ではない。恐らく、いまも何処かの惑星で暴れまわっているのではないかと思われる。
もう1体いたバーサーカー種は、ヘルメットのクワガタ部分を叩き折り、両膝を逆間接に整形した後、顔面を踏み抜いてやったが、正直
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