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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十三話 独りでは何もできないのです。
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げると、皇女殿下がすぐ近くに立っている。顔は見えない。うなだれている。はらりと前髪が顔にかぶさっていて表情は見えない。けれど・・・・。

「お願い・・・・・・。私を助けて。私は・・・・この世界でたった独り。大好きだったパパもママもいない。独りじゃ何もできない・・・・」
「皇女殿下・・・・」
「お願い・・・・」

 乾ききった声だったが、悲しみが渦を巻いていた。そういえば、この皇女殿下は早くから母親を亡くし、ずっと一人ぼっちで育てられたと聞いている。いや、そもそもそれ以前に前世から訳の分からないままここに飛ばされてきたんだ。俺もそうだが。頼れるのは原作知識。それだけを武器に貴族、ラインハルト、ひいては自由惑星同盟と渡り合わなくてはならない。そうだ、一般人の俺たちなど、英雄なんかじゃない。独りでは何もできはしない・・・。

「わかりました」

 そう言った瞬間俺は覚悟を決めた。この皇女殿下と運命を共にすることを。

「及ばずながらこのアルフレート・ミハイル・フォン・バウムガルデン、皇女様のお力になります」

 俺は静かにそう言った。

「アルフレート・・・・・。ありがとう・・・・・」

 皇女殿下が俺の手を取った。涙が両頬を伝っていた。

ノイエ・サンスーシ 居間前 
■ アレーナ・フォン・ランディール
 のぞき見は趣味じゃないけれど、でも今がチャンスなのよね。誰も周りにいないし。

 それにしても、チッ。ついに二人が手を組んだか。一般人の二人が生き残るのに必死だってわけか。
でもね、一つ重要なことを忘れているわよ。あなたたちが生き残りたいのと同じくらいにラインハルトだって生き残りたいはずなのだから。
 悪いけれど、あなたたちがラインハルトを狙う限り、私たちは全力であなたたちを叩き潰すわよ。英雄を殺そうということはそれくらいのリスクは負うことになるのよ。それ、わかってるんでしょうね?



 自由惑星同盟領 レディナント星域――

 本星域はエルファシル星域より50光年ほどハイネセン方面に離れたところにある軍管轄の訓練宙域である。大艦隊が展開しやすい宙域から、アステロイドベルトがあって操艦しにくい宙域、さらには恒星風が吹き荒れて電子機器に影響を与える宙域など、様々な場所が存在し、ありとあらゆる艦隊訓練ができる場所として有名である。そのため、各艦隊は必ずと言っていいほどここに集結して訓練を行う。
 シドニー・シトレの第8艦隊も先月からここに集結して訓練を行ってきた。各員の練度は最初は寄せ集めというだけあってバラバラだったが、副官として赴任してきたシャロン・イーリス大尉の訓練プログラムを採用した結果、見る見るうちに練度は上昇し、精鋭艦隊とそん色ないくらいにまで成長した。また、シトレ自らも先頭に立ち、大
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