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悪意の風
2部分:第二章
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を無傷で手に入れるのですね」
「その侵攻の際略奪や暴行は禁止する」
 政治家らしくだ。それによる自分や彼の国への反感が生じることも防ぐというのだ。
「これを破るものは軍律に基き処刑する」
「我が国の軍規軍律に従いですね」
「そのうえで」
「そうだ」
 まさにそうするというのだ。尚この国の軍の軍規軍律はかなり厳しい。彼は軍の規律には厳しい、そうした意味ではヒトラーに似た独裁者なのだ。
「むしろ侵攻の際は普段より厳しくする」
「そして略奪や暴行を禁じる」
「そうされますか」
「その通りだ。では軍にも伝える」
 何を伝えるかは最早言うまでもなかった。
「何時でも動ける様にとな」
「ではその時こそ」
「我が国があの国を併合しましょう」
 部下達は敬礼と共に応えた。しかしだ。
 ここで一つ問題があった。その問題について部下の一人が彼に言ってきた。

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