Ammo04。発動! オペレーション『ヴァンパイア・ストライク』
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サイド?
首都ブカレストからほど近い森の中にある古城。『アルカード』
昼間なのに薄暗い森の中にひっそりと建ち、周囲は草が生い茂りいかにも何か出そうな感じがするその古城。
その城の地下牢に私は監禁されてる。私が監禁されてからもう何年経ったのかな?
今日もいつもと同じだった。
身に付けていられるのはボロボロのところどころ破れた布切れ。3日に一度出されるパンは干からびていて、スープなんてない。水は出るけど、空腹は変わらない。
と、そんなことを考えていると。
私が閉じ込められている牢の前に誰かが来た。
「……誰? 誰かいるの?
誰でもいい……助けて……助けてよ……」
しかし、その人は私をゴミのように見つめるだけですぐさま地下牢から去っていってしまう。
ああ……やっぱり助けを求めても無駄かあ。
私に力があればブラドに一発喰らわして逃げてやるのに……。
「はぁ〜まるでおとぎ話に出てくる囚われのお姫様みたいだね。私のもとには王子様や勇者様は来ないけど……」
絶望していた。期待なんてしていない。
助けを求めれば助かる。呼べば誰か来るなんてのはただの幻想だから。
私には何もない。何もないから監禁されてる。
優秀だったら外に出られたのに……力が欲しい。
逃げ出せる力が。自由になれる力が欲しい。
隠し持つ十字架をギュッ、と握り締めながらそう思う。
考えるだけ無駄だけど……。
だけど……つい考えてしまう。
『囚われ姫のもとに来てくれる勇者』……そんな存在がもし、いるならば……と。
同時刻。
ブカレスト武偵局内。
俺は父さんに抗議していた。
「頼まれたことはやったから、もう帰っていいでしょう??
ただの小学生に吸血鬼の相手は荷が重いよ?」
「昴君が『ただの小学生』だったら、今すぐ日本に帰してるさ。だけどパイファーツェリスカを持った戦闘員と戦える時点で『ただの』ではないよね?」
「うぐっ……そ、それは」
くっ、いい訳できん。
だが、そうしたのは父さん達だろう?
もし俺が普通じゃないのなら、それは保護者達が普通じゃないからだ。
「まあ、帰ってもいいよ? ただし、帰ったら父さんが張り切って君と遊びたがるだろうけど。
海外に行ってたことを知ったあの人が孫と再会したらどうなるか……解るよね?」
父さんの言葉に戦慄する。
爺ちゃんはかなりの孫バカであり、戦闘狂だ。
そんな人が海外で戦ってた孫が帰ってきたと知ったら……どうするか?
マズイ。俺の身の安全がマズイ。
十中八九、遊びに誘ってくるだろう。
それも全力で! 筋肉全開で!
そんなの……ゴメンだ!
爺ちゃんと模擬戦やるくらいなら、ブラドと戦った方がマシだ!
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