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夜空の武偵
Ammo04。発動! オペレーション『ヴァンパイア・ストライク』
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配下に浸入者がいると感づかれたってことだろうし。
それを前提にして作戦を遂行した方がいいかもな。

「らんら……うおっ?? あ、あー……蘭豹、綴、ここは俺に任せて先に行ってくれ!」

うおっ、と。危ねえ! らんらんと言おうとしたら鉛弾が飛んで来たよ。
蘭豹め、「チッ、外したか……」なんて呟くのやめろ。
当たったら死ぬから!
お前の持つ(M500)、威力ヤバイから!
当たらなければいい、とかそんな武偵のノリはいらんのです。

「死に晒せばいいのに……で、なんや?」

「少しは本音を隠せー! まあ、いいけどさ。
俺達の存在を吸血鬼(ブラド)達に悟られたかもしれないから、作戦通り俺が囮になるから、蘭豹と綴は俺が撹乱してる間に突撃してくれ」

「それは今すぐに、か?」

「ああ、狼ごときを相手に時間潰してたら臆病(・・)な吸血鬼達が逃げるかもしれないからな。
だからここは俺がやる。逃げる前に強襲逮捕してくれ!」

「そうか。解った。けど……気ぃつけろや」

「蘭豹の言う通りね、ここはその理由で先に行くけど……気をつけなさい」


蘭豹と綴は真面目な顔をして頷くと、手に持った銃を乱射して城へと続く道を走り始めた。
二人に襲いかかろうとする狼を、俺は二丁撃ち(ダブラ)で威嚇して妨害する。
残った狼はグルルルル、と唸って俺を見つめる。
さて、邪魔者はいなくなった。

「そろそろ出て来たらどうだ? 糞吸血鬼さんよ?」

俺の声が伝わったのか、バサバサ、と上空を黒いものが羽ばたいた。
多いな、20羽はいるな。
あれは……蝙蝠(コウモリ)か?
いや、ただの蝙蝠じゃない。
着地した蝙蝠は狼の影に入り込み集まり出した。
そして、ソレ(・・)は人の形になっていく。

(緋アリの世界だから、いるとは思ってたが、まさかこんなところで会うなんて、な)

「森の方から臭い匂いがすると思って来てみれば……下等種族の人間がいるなんて。こんな簡単に浸入を許すなんて小夜鳴(サヨナギ)も使えない男ね。お父様も何であんな奴を生み出したのかしら?」

そんなことを言いながら、ソイツは俺を見る。
上手く隠れていたが狼達の居場所を探す為にやった『筋肉感知』でいるのは解ってたけど、目に見えると想像以上に不気味な存在だな。
影から現れたソイツはくるくる、とフリフリの日傘を回し、退廃的で、不吉な印象を抱かせる、ゴシックロリータ衣装を着た金髪ツインテールの美少女。
ソイツは紛れもなく。

「ああ、不幸だ。不幸過ぎる。本当、不幸だな……お前(・・)本当ツイてねえよ(・・・・・・・・)

俺はソイツにそう告げながら両手に持つ銃を下ろす。
降参する訳ではない。
銃を下ろすのは構えても|無駄
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