Ammo02。無自覚な逸般人
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ニアに着くけどこの後はどこに行けばいいんだ?
空港ロビーで待っていろ、ということ以外何も知らされていないんだよ。
我が父親ながら適当な人だよな……。
「……すー、すー、ん、うん……むにゃぁ……?」
あ、蘭豹が起きた。
「おはよーございます」
「……」
蘭豹はしばし無言になると、シートベルトを外し、立ち上がると座席上の荷物入れからカバンを下ろして……。
って、え、ええ〜?? 機内で銃だした〜??
「ちょっ、何をしてるんですか〜??」
「うるさい、可憐な乙女の寝顔を見といて……生きてられると思うにゃよ!」
寝ぼけてるのか、噛んでんぞ。
「……は? 可憐? 誰が?」
って、おい! 蘭豹が持っている銃は……
S&WM500……通称『象殺し』。
世界最強の威力を誇る拳銃の一つじゃねえか??
や、ヤバイ……。
何故かは知らんが、最強の豹の尾を踏んでしまったようだ。
ってか、俺悪くないよな?
どうする?
どうすりゃいいんだ?
誰かこの状況をどうにかしてくれー!
「おりゃあ、死ね、死ねー、死に晒せー!!!」
俺は念のためにと、足元に置いといた木刀を構えるが。
「うっさい!」
目を覚ました綴にチョップされて、蘭豹はおとなしくなった。
周りの乗客と乗務員の皆さん、蘭豹が騒がしくしてスミマセンね、本当。
数十分後。
ルーマニア首都ブカレスト 空港ロビー
あの後、綴によっておとなしくなった蘭豹(いまだに睨んでいたが)達と別れた。
彼女達はこれから情報収集に向かうようだ。会わないことを切に願う。
蘭豹達と別れた俺は入国ロビーの前で父さんが頼んだ案内人を待っている。
「君が昴君かな?」
と、そんな俺の前に一人の男性が話しかけてきた。
日本語で話しかけられ、驚いてしまったが声をかけてきたのは金色の髪をオールバックにした紳士服が似合う男性だった。
「えっと……貴方は?」
「これは、失礼……私は、そうだね、オルメスとでも名乗っておくよ。無論、本名ではないがね。任務中に使うコードネームだと思ってくれたまえ」
コードネーム?
オルメス?
……まさか?
「さて、遠路はるばるよく来たね。古き伝統と怪物の国……ルーマニアへ」
この時の俺は彼の正体を確認しなかったことを後悔することになる。
だが、それはまだ先の……そう、彼の正体に気づくのは『あのハイジャック事件』の後になる。
「こっちだついてきたまえ〜」
オルメスさんの案内でタクシーに乗せられた俺は街中を車で走り、気づけばルーマニア武偵局ブカレスト支部前に着いていた。どうやら、この中に父さんの知り合いがいるらしい。
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