ターン48 鉄砲水と砂上の異形
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スターが、徐々に消えていく。これでフィールドに存在するすべてのモンスターは、このターンの終わりまで裏側守備表示になったわけだ。
「う……あ……!」
……そして、裏側守備表示になった全てのモンスターが激流葬によって無に変える。いや、違う。皆既日蝕の書により裏側守備表示となって効果破壊されたサンドモス2体は、またしても攻守を反転した状態で蘇生される。
サンドモス 攻2000
サンドモス 攻2000
「まだだ!オイスターマイスターは戦闘以外の方法で場を離れた時、フィールドにオイスタートークン1体を特殊召喚できるっ!」
オイスタートークン 守0
「あ……」
構うものかと言わんばかりに腕を振り上げ、2体のサンドモスが攻撃を仕掛ける。そのうち1体が守備力0のオイスタートークンをいともたやすく踏み潰し、もう1体の剛腕がデュエル序盤とは比べ物にならないほどの速さと重さを込めて唸る。
サンドモス 攻2000→オイスタートークン 守0(破壊)
サンドモス 攻2000→清明(直接攻撃)
清明 LP3000→1000
「……ッ!!」
先ほどの経験からガードだけは取ったものの、それでもなお強烈な一撃に声も出ない。その場でこらえきれず後ろに吹っ飛ばされるわずかな間にふと頭をよぎる、僕がダークシグナーになった直接の原因である暴走車にはねられた時の衝撃。下手をすると、あれよりも強かったかもしれない。この無駄に強靭な肉体がなければ、骨やら内蔵やらがまずいことになっていてもおかしくなかっただろう。
「い、痛たた……」
一気に勝負のバランスを向こうに傾けた、辛うじてライフを残すので精いっぱいの会心の一撃。だがその成功に驕ることなく、かといってまんまとしてやられた僕を嘲笑うでもなく、油断せずにモンスターを挟んでじっとこちらをうかがうサンドモス。
「く……」
その目のない顔と見つめ合う形になり、僕の心の中で1つの決心がようやくついた。少なくともこの世界では、デュエルは命をかけて行うものだ。そしてそれが分かったうえで、目の前のサンドモスは一歩も引くことなく戦っている。他の誰が何と言おうと、今の攻防で僕の腹は決まった。いいだろう、そこまで真剣勝負を挑んでくるのなら、もうこれ以上ぐだぐだ迷ったりしない。殺らなければこっちが殺られるというのであればサンドモス、僕はお前のライフを、そしてその先にある命そのものを一切躊躇わずに全力で狩りつくす。それがデュエリストとしての、せめてもの僕の礼儀だ!
清明 LP1000 手札:1
モンスター:なし
魔法・罠:1(伏せ)
サンドモス LP2400 手札:0
モンスター:サンドモス(守)
サンドモス(守)
魔法・罠:なし
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