ターン48 鉄砲水と砂上の異形
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攻め込む!グレイドル・イーグル、やっちゃって!」
『気を抜くな、マスター。こちらが命がけということは、向こうもまた命がかかっていることを忘れるな!そんな単調な攻め手では……』
「あ……」
チャクチャルさんの遅すぎた警告をあざ笑うかのように、サンドモスが伏せカードを表にする。速攻魔法、月の書……モンスター1体を裏側守備表示にするそのカードの効果を受けてセットされたサンドモスに、イーグルは無謀な突撃を仕掛けることしかできない。
だがその爪がサンドモスの体に弾かれるより前に、地中から伸びた鎖がサンドモスの腹を突き破ってイーグルを、そして僕の伏せたカードを貫いた。
「さらに爆導索のダブルコンボまで……」
爆導索。セットされた縦列全てにカードが存在する、つまり僕のモンスターと伏せカード、そして相手のモンスターと爆導索自身が一列になっているときのみ発動可能で、その列のカード全てを破壊するというトラップの中でも特に異端の効果を持つカードだ。僕はイーグルを召喚した時、特に何も考えずに伏せカードと並べるように出して、その点をうまいこと突かれた形になったわけだ。やがて貫かれたイーグルの瞳から光が消え、力なく溶け崩れて地面に落ちて染みとなる。サンドモスも砂となって地中に消えていった、かと思ったらなんと次の瞬間、何事もなかったかのように平然と起き上がる。
『サンドモスは裏側表示で効果破壊された際、攻守を反転して特殊召喚する効果がある』
サンドモス 攻2000
「クッ……それじゃこっちだけやられ損ってこと!?悪かったね、イーグル。カードをセットして、ターンエンド」
どうもおかしい。闇のゲームなら、これまで僕も何度か経験がある。その時は今目の前にいるサンドモスよりもはるかに格上の相手とも戦ってこれたのに、なんで今になってこんなに苦戦しているんだろうか。小さな疑問が湧き上がるが、それをじっくり考える余裕をくれるつもりは残念ながらなさそうだ。
「う……あ……」
僕のフィールドが空いたここを好機とみたのか、勢いよく次なるカードが置かれる。地属性専用リクルーター、巨大ネズミだ。
巨大ネズミ 攻1400
「あ……!」
「そう簡単に通しはしない!トラップ発動、波紋のバリア−ウェーブ・フォース!この効果によりダイレクトアタック宣言時に相手フィールドで攻撃表示のモンスターは、全てデッキにバウンスされる!」
突っ込んできた巨大ネズミが、サンドモスが、半球状に僕を守る水の壁に阻まれ弾かれる。これでとにかく、このターンの攻撃だけは防げた……だけど虎の子のウェーブ・フォースを使ってしまった以上、これ以上の防御札はまだデッキの中に眠ったままだ。
清明 LP3000 手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:な
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