ターン48 鉄砲水と砂上の異形
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
で音もなく近づいてくる。
「こ、これ……」
『サンドモス。岩石族の下級モンスターだが……やはり、ここはモンスターが実体化できる世界のようだな』
「どどどどうしよう、どうやって逃げればいい!?」
『逃げたところで地の利はあちらにある、ならばこの場で迎撃だ。幸い、この個体の他に仲間はいないらしいしな。デュエルディスクを構えろ、マスター!』
「え、えぇ……?」
とりあえずチャクチャルさんに言われたとおりにデュエルディスクを構えはしたけれど、本当にデュエルが通用するのだろうか。だってこのモンスター、デュエルディスクとかデッキとか持ってる風には全然見えないし。そう思いながらこちらに近寄ってくるそれを見守っていると、僕との間に3メートルほど距離を開けてぎこちなく片腕を伸ばす。足元の砂が巻き上がりその腕に絡みつき、ある部分は広がりある部分は固まり、やがて砂製のデュエルディスクらしきものがその腕に装着された。
「できるの!?」
『アドバイスは1つだけ。……心配はしていないが絶対に負けるなよ、マスター』
「え?」
自分から焚きつけておいたくせに、急にシリアスになるチャクチャルさん。だがどういう意味か、と聞き返す暇はなかった。デュエリストが2人そろってしまった以上、もはや残された道はデュエルしかないのだ。
「そうは言っても、本当にデュエルできるのかな……?ま、精霊相手ってのもずいぶん久しぶりだし、それじゃあデュエルと洒落込もうか、サンドモス?」
フシューフシューと不気味な呼吸音がかすかに聞こえてくる程度で、返事を返そうとするそぶりすら見られない。だけどデュエルディスクを構えたっきり襲い掛かってこないところを見ると、まるっきりこちらの話を理解してないというわけではなさそうだ。
「調子狂うなあ……デュエル!」
あの砂製デュエルディスクがどういう仕組みなのかはわからないが、デュエルする上で問題はなさそうだ。僕が先攻であることが示され、手札をざっと見渡す。
ま、初ターンだしここは様子見かな。
「ツーヘッド・シャークを守備表示!」
ツーヘッド・シャーク 守1600
いつもお世話になりっぱなしの2つの口を持つ青い鮫モンスター……だけど実体化しているからか、こころなしかいつもより色合いもくっきりして立体感も増して見える気がする。
「さらにカードをセットしてターンエンド」
「あ……う……」
やはり人語を喋るだけの知能はないのか、意味の分からない音を口から出しながらカードをそのデュエルディスクに置くサンドモス。すると足元の砂が盛り上がり、デュエルディスクを持つサンドモスの前に2体目のサンドモスが召喚された。
サンドモス 攻1000
「あ……」
「シールドクラッシュ……ちっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ