第43話空を飛ぶのは案外簡単
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。ノコノコと他種族の領地に入ってくるからには、斬られても文句は言わんだろうな・・・?」
小虫ーーーそろそろ本気でこの人の事をひっぱたいてやりたくなってきた。私も女の子だからそんな乱暴な事したくないけどーーー好きな人の事をここまで悪く言われたら、流石に仕方ないよね。そう思っていたらーーー
「フゥ・・・」
「うっわ、ビックリするぐらい小物wwwww」
キリトくんは溜め息をつき、ライリュウくんはシグルドのあまりの小物っぷりに口に手を当てて隠す気もない笑い声を挙げている。その態度が勘に触ったのか、シグルドは剣を強く握る。
「今はヤバイっすよシグさん。こんな一目のある所で、無抵抗の相手をキルしたら・・・」
シグルドの右隣に立っている青いバンダナを頭に巻いた《シルフ》の男がシグルドにそう言い、シグルドが周りのプレイヤー達を見回す。システム的にはおかしくないけれど、流石に全く抵抗していない相手をPKしたら、シグルドの立場が危うくなる。その事に気づいたシグルドは舌打ちをして剣を鞘にしまう。
「精々外では逃げ隠れる事だなリーファ、ライト。今俺を裏切れば、近い内に必ず後悔する事になるぞ・・・」
「オレに至っては、元々アンタのパーティじゃないんだけどな」
シグルドとライトがそう会話を交わし、シグルドは二人の仲間を引き連れてこの塔を去った。
「ゴメンね、妙な事に巻き込んじゃって・・・」
「本当にスマン」
「いや、オレとキリトは別にいいけど・・・」
「いいのか?領地を捨てるって・・・」
『あぁ〜・・・』
リーファちゃんとライトの謝罪にライリュウくんとキリトくんが、領地を捨てていいのかと聞いてきたため、少し返答に困ってしまう。それからリーファちゃんは二人の背中を押して、リフトに乗らせる。私達も当然ついていく。さて、あの絶景を見に行きますかーーー
******
塔を登って、そこから見えた景色はーーー
「すごい眺めだな・・・空が近い、手が届きそうだ!」
「ホントにすげぇよ!こんな景色、VR世界じゃないと見れねぇよ!まさしく絶景だなぁ!」
手が届きそうな青い空、白い雲、風にたなびく緑の草原。キリトくんもライリュウくんも大絶賛、私も好きな景色なんだよねーーー
「でしょ?この空を見てると、ちっちゃく思えるよね。色んな事が・・・」
そうリーファちゃんが言い、空に手を伸ばしーーーその空を掴もうとするように手を広げる。
「いい切っ掛けだった、いつかここを出ていこうと思ってたの」
「オレもだ。なんつーか、どうしても大組織みたいなのは苦手でな。本当に信頼出来る奴数人でいいんだ」
「そうか、でも、なんだか喧嘩別れみたいな形にさせちゃって
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