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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十二話 お食事会なのです。
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士官学校は設立されて間もないが、とても良い指導をし、なおかつ学費がタダ、おまけに食事も充実しており、特に週一回は必ずデザートバイキングが付く。もちろんカロリーは低カロリーであるが、一流の料理人が作っているからほとんど遜色ない味に仕上がっている。内部にはスパもあり、エステサロンもあるなど、充実している。(これらはランディール侯爵家やマインホフ元帥、そしてグリンメルスハウゼン子爵閣下らからの篤志金で賄われている。)もちろん軍人の学校なのだから訓練などの学科はとても厳しいのだが、入校者には「支度金」名目で皇帝陛下から家族に一時金を支給する、かつ成績優秀な者には「給付金」が支給されるということもあって、やめていく者はほとんどいないのだ。
 
 これらの骨子は表向きはマインホフ元帥の肝いりで設立したことになっているが、その実ほとんどがアレーナが考案したものである。

 それを聞いたラインハルトが目を見開いた。

「キルヒアイス聞いたか?俺たちの学校の食事など、量はともかく味はとても満足なものだと言えないというのにな」
「そうおっしゃいますな、校長はそれを聞くと必ずこういいますから。『栄養価は充分に考慮して居る。軍務をもって国家に奉仕しようと志す者が、美食を求め味に不満を漏らすなど、惰弱の極みである!』と」

 あまりにそのもの真似が真に迫っているので、皆がおかしそうに笑った。

「だが、それで在校中はともかく、戦場に出たら、一兵卒と同じ、特別扱いはさせてもらえないはずだ。その辺を考慮してあるのか?」
「充実していると言っても、豪勢な美食というものではないわ。ただ、味には気を遣う風にしているの。それに、スパやエステサロンは常時使用できるというものではなく、ほんの時たまよ。あまり慣れすぎて戦場とかい離した環境だと後々苦労するからね。でも、最初だからそういうもので吊り上げないと、人が集まらないのよ」

 アレーナがそう言った。

「なぜ、アレーナ姉さんがそれを?・・・・なるほど、マインホフ元帥は確かアレーナ姉さんの親戚筋でしたね。大方姉さんが仕込んだことでしょう」
「ばれちゃったか。さすがはラインハルトね。でも内緒ね。これも――」

 アレーナがウィンクしたので、ラインハルト、そしてキルヒアイスもそれ以上その話題を出すのをやめた。ウィンク一つで気持ちが察せられるほどお互いは気心が知れていたのだ。
 それからあとはひとしきりヴェストパーレ男爵夫人の最近の芸術談話が話を占めた。しまいにはラインハルトがげっぷを出そうなうんざりした顔つきになってしまい、それをみたイルーナが「ラインハルト、我慢よ」と言ったので、皆がおかしそうに笑った。

■ アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
 お茶会はとてもなごやかだったわ。私も久々に皆と会うこと
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