4部分:第四章
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第四章
「それならばです」
「人権が認められるべき」
「そうだというのですね」
「ですから私はこのことも提案します」
所謂言いだしっぺとしてだ。彼は言うのだった。
「クローンを人間として人権を保障する案をです」
「ではその案を正式に提出して下さい」
「すぐに審議に入りますので」
他国の代表達も言う。彼等にしてもだ。
このクローンの人権の問題について頭を悩ましていたのだ。それで最初の提案者である彼にこの問題の解決を迫るのも当然のことだった。
それでだ。彼はそのクローンを人間とし人権を保障する案を提案した。このことは様々な議論を巻き起こしたがこの提案もだ。
国連により認められ各国でも踏襲された。その結果クローンは人間となった。
だが町を歩けば同じ顔が何人もいる状況が続きだ。どうしてもだ。
混乱が続いた。だが世界人口は確かに急カーブで回復し増加さえしていた。
子供の数も増えた。人々はこのことについてはこう言ったのだった。
「まあ人が増えることはな」
「いいことだよな」
「宇宙開発も人間あってこそだしな」
「だからいいか」
「プラスマイナスでいくとな」
そのプラスマイナスの観点ではだ。どうかというのだ。
「プラスだよな」
「そうだよな」
こうした結論になった。トータルとしてはだ。
人口が増えたしそのうえでだ。しかもだ。
特に男達がだ。こう言うのだった。
「奥さん何人も持てるからな」
「おまけに好みの人ばかりな」
「学生でも結婚できてやりまくれる」
極めてストレートな表現も出る。
「いいことの方がずっと多いよな」
「旦那さんだって持てるし」
同性愛者からも人気だった。伴侶は異性だけとは限らない。
「じゃあいいか」
「だよな。俺今実は二人妊娠させてるんだよ」
「俺三人だよ」
つまりそれだけ人類の人口増加に貢献してるというのだ。
「奥さんも働いてくれて生活も楽になってるし」
「これからもどんどんクローンの奥さん迎えるか」
「ああ、ハーレム作るか」
「美人ばかりのハーレムな」
男達はこう考えていた。そしてだ。
女達も大体同じでだ。やはりだ。
逆ハーレムを作って楽しんでいた。人類はクローンによる人口増加に成功した。
ここから増えた人類は宇宙にも進出し発展した。その結果だ。
人類は宇宙でかなりの勢力になった。それも全てクローンのお陰だとだ。歴史書には書かれることになった。よかったこととして。
そしてだ。最初の提案者のその代表はというと。
この業績を人類の歴史に残されることになった。何はともあれ人類を救った者として。その動議については色々言われたがそれでもだ。人類を救ったことは紛れもない事実だったからこそ。
レプリカン 完
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