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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十一話 出る杭は打たれるのです。
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バウムガルデンがその場にいたんだそうだ。ここ最近姿が見えないと思ったら、奴はそんなところに行っていたのか。従卒として戦場に出たのは奴だけだ。大方家柄のコネを使ったんだろう。反吐が出る。
そして戦場で司令官に意見したのだという。バカな奴だ。目の付け所は悪くはないが、実際の艦隊運用において、敵に索敵能力があることを完全に忘れている。俺なら動きを察知されないよう、エル・ファシル星域を大きく迂回するか、若しくはあちこちに偽装の艦隊を配置しておく。それか、いっそのこと8000隻の艦隊でエル・ファシルを包囲して退去勧告を出す。今回の作戦の目的は、エル・ファシル星域の制圧と、周辺のレアメタルの採掘権の確保なのだ。それさえ達成できれば民間人の捕虜などどうでもいい。むしろ帝国の寛大さをアピールできることとなる。もっとも、腐り切った帝国が反乱軍に対し、そんなことをするとは俺には到底思えないがな。
いずれにしても、俺には受け入れられない人種だな。もっとも今後の進み方次第で奴をどう見るかが変わるかもしれないが。
自由惑星同盟 統合作戦本部――。
統合作戦本部長であるダニエル・ブラッドレー大将は、この年48歳。宇宙艦隊司令長官から統合作戦部長に移ったばかりの戦場でのたたき上げの軍人である。士官学校を出ていないどころか貧窮の家庭で育ったため、正規の教育をほとんど受けていないという珍しい経歴を持つが、その才能は各艦隊司令官のみならず政財界の要人も認めていた。
「やぁ!シトレ、来たか」
彼は大喜びで身の丈2メートルの黒人将官を招き入れた。第八艦隊司令官に就任したばかりの、シドニー・シトレ中将を自室に呼び寄せていた。
第八艦隊は先年第四次イゼルローン要塞攻防戦に置いて、壊滅的な損害を被り、司令官は戦死、艦隊の5割が失われるという敗北を喫した。すべては第八艦隊が頑迷な司令官の指揮のためにトールハンマーの射程内にいたことが原因だったが、このため一時期は自由惑星同盟軍に避難の嵐が殺到したのである。
当時宇宙艦隊司令長官だったブラッドレー大将は、この作戦に出征していなかったし、第八艦隊の突出など全く知らぬことであった。すべて出先司令官である宇宙艦隊副司令長官のロボス中将が指揮していたのである。そのロボスにしても第八艦隊には何度も自重せよと伝令を飛ばしていたのであるから、これはもう第八艦隊司令官の独断というほかなかった。
だが、世間の眼はそうは見ない。あくまであのような無謀な作戦をとった責任者は宇宙艦隊司令長官だというのである。そのため、宇宙艦隊司令長官をブラッドレー大将はやめ、後任を人事局にゆだねると、自分はさっさと統合作戦本部長の席に座った。実のところ統合作戦本部長の方が実働部隊の長である宇宙艦隊司令長官よりもエライのであるが、近年は実働部隊こ
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