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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第27話
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戦が始まって間もなくのことであった。以降、貴族連合はそちらを拠点にゼンダー門を攻めてきている。アイゼンガルド方面からの領邦軍と挟み撃ちにする形でな。」

「かなり厳しい状況みたいですわね……」

「下手したらガレリア方面の父さんたちよりも……」

ゼクス中将の説明を聞いたセレーネとエリオットは不安そうな表情をし

「……ああ、戦況は決していいと言えないだろう。旧式戦車まで駆り出して、これまで何とか凌いできたが……」

二人の言葉を聞いたゼクス中将の副官は厳しい表情で頷いた。



「ふうん……よくわからないけど。要するに、ここが落ちるのも時間の問題ってワケね?」

「セリーヌ……!」

セリーヌの指摘を聞いたリィンは慌てていたが

「………いや、事実だろう。このままでは一月経たぬうちにゼンダー門は陥落する。無論、そうならないように最善の手は尽くすつもりだが。」

対するゼクス中将は声を荒げて否定する事もなく、冷静な表情で答えた。



「そもそも、何故”監視塔”は奪われてしまったのでしょう?共和国方面の拠点なら、警戒も万全だったのでは……?」

その時ある事が気になっていたクレア大尉が質問した。

「うむ……以前、攻撃を受けた教訓もあって抜かりはないはずであった。だが、貴族連合のとった作戦がこちらの予想を上回るものでな。信じ難いことだが……―――どうやら貴族連合は一時的に共和国と手を結んだらしい。」

「ええっ……!?」

「”共和国”と言う事はまさか……」

「”カルバード共和国”と……!?ま、待ってください……帝国と共和国は対立関係にあったはずですでは!?いくらなんでも何かの間違いじゃ……」

ゼクス中将の口から出た信じ難い話にリィン達は驚いた。



「いや、監視塔に詰めていた兵士からの確かな証言だ。あの日、共和国の空挺部隊が大規模に領空を侵犯した。そして監視塔の部隊がそちらに対処している隙に……西の空から、機甲兵を運んだ貴族軍の軍用艇が急襲したのだ。」

「それは……」

「……疑う余地はなさそうですね。」

「エレボニア帝国とカルバード共和国は決して相容れない仲だとの事ですよね?」

「貴族連合だってそれはわかってると思うけど……」

「ま、敵の敵は味方ってことかしらね?」

ゼクス中将の説明を聞いたリィン達はそれぞれ表情を引き締めた。



「それと、監視塔が奪われて以来なぜか高原全域で導力通信が使えなくなっている状況でね。そのせいで、本土から増援を呼ぶ事すらできず、消耗戦を強いられているんだ。」

「そうだったんですか……流石にそれも偶然とは思えませんね。」

「うむ……我々も何らかの工作を疑っている。だが、通信設備自体が
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